試験運用中なLinux備忘録・旧記事

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Wineの仮想デスクトップについて

Wineで実行されるアプリケーションを、仮想デスクトップウィンドウの中で動作させることができる。1つのデスクトップウィンドウの中で複数のアプリケーションを動作させることもできるが、特定のアプリケーションに対しては別のデスクトップウィンドウを用意するということもできる。
(2009/10/20)タイトルを「Wineの仮想デスクトップについて」に変更

winecfgにおける、デスクトップのエミュレートに関する設定について

winecfg設定ツールでは、「デスクトップをエミュレートする」という設定項目があり、サイズも指定できるのだが、これを設定すると、以降(解除するまで)、Wine上で起動された全てのアプリケーションのウィンドウが、その仮想デスクトップウィンドウの中に表示される。
winecfgの設定においては、デスクトップをエミュレートするかどうかを、アプリケーションごとに指定することはできない。

コマンドラインからの指定

$ wine explorer /desktop=[名前],[幅]x[高さ] [アプリケーション]

という書式で実行させる。スラッシュ記号を入れることに注意。幅と高さの指定は、新規に仮想デスクトップウィンドウを開いたときにのみ有効。

デスクトップ名について
$ wine explorer /desktop=test,440x330 winemine &

とすると、サイズが440x330の仮想デスクトップウィンドウの中でマインスイーパが実行され、更に、同じ名前(test)のデスクトップを指定して

$ wine explorer /desktop=test winver &

のように新しくアプリケーションを起動すると、同じウィンドウにバージョン情報ウィンドウが出る。

$ wine explorer /desktop=regedit,640x480 regedit &

とすると、別の仮想デスクトップウィンドウが開いて、その中にレジストリエディタが表示される。

Winampと仮想デスクトップ

Winampを使用する場合、レジストリ設定でウィンドウマネージャの装飾を使用しない設定
ファイル名: ${WINEPREFIX}/user.reg

[Software\\Wine\\AppDefaults\\winamp.exe\\X11 Driver]
"Managed"="N"

にすると、見た目の悪さが改善されるのだが、全てのワークスペースに配置される上、最前面になってしまったりするので、扱いづらい。そこで、デスクトップのエミュレート機能を使って

$ wine explorer /desktop=winamp,[任意のサイズ] c:/Program\ Files/Winamp/winamp.exe &

のようにすると、Winampのウィンドウ群を(X上の)1つのウィンドウに含めることができ、重なりの順序も、通常どおりのウィンドウとして変更できるので便利。サイズをうまく調整して、ぴったりおさまるようにすれば、かなり使いやすくなる。ただ、設定ウィンドウを開いたときに、指定したサイズにおさまりきらないと困るので、そのあたりも含めて調整する。バージョン2系*1では設定ウィンドウも小さいので、省スペースにできる(例としては、「550x375」など)。
なお、バージョン5でModernスキンを使用すると、インストール直後は正常にウィンドウが表示されたが、2回目以降は表示がおかしくなってしまった。

Classicスキンを使用した場合は問題なく、バージョン2系でも同様に表示は問題なかった。

使用したバージョン:

  • Wine 0.9.42
  • Winamp 5.35, 2.91

*1:Windowsをメインに使用していた2003年に本家からダウンロードしたもので、ファイル名はwinamp291_full.exe、サイズが2320949バイト、MD568f0f87b12306939e7e3c7549db5df5fSHA-1b2c38fd10c32add8faa3a02c9347b67229c6c5bb。現在、Web上で入手できるか調べてみたところ、Internet Archiveではうまくダウンロードできなかったが、OldVersion.comなどで同一のファイルが見つけられることが分かった