hibernate-scriptの共通設定項目(hibernate-script 1.97現在)
「hibernate.conf」のmanページに書かれている設定項目は多い。その中で、調整することのありそうなものを選んでまとめておく。
GNU/Linux上でのハイバネーションは、「動作する」設定が一度出来上がるまで、試行錯誤しなくてはならない部分もあり、最初は大変なところがあるかもしれない。
何かの問題が起きるのは、デバイスによるところも多く、問題が起こるかどうかは試してみるまで分からない。問題が起きても、設定が柔軟にできることにより、対処できる場合も多い。
ここで扱う設定は、/etc/hibernate/common.confに記述する共通設定で、TuxOnIceやuswsuspといった特定の方式に固有のものではない。
項目名 | 説明 |
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Verbosity | hibernate-script実行時の出力詳細度(0:エラーのみ 1:段階 2:段階を詳細に表示 3:段階をもっと詳細に表示 4:実行されるコマンド全て) |
LogVerbosity | ログファイルに対する出力詳細度で、値と出力はVerbosityと同様 |
AlwaysForce | 処理に失敗したときなどに、そこで中断せず処理を強制的に進める(--force付きで実行したのと同様) |
AlwaysKill | 休止するために終了させる必要のあるプロセスがあるときに、これを行う(--kill付きで実行したのと同様) |
項目名 | 説明 |
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SaveClock | yes:休止時にOSの時刻を保存 restore-only:休止時に時刻を保存せず高速に休止し、復帰時に読み込むのみ |
IncompatibleDevices | 休止する上で(使用中だと)問題のあるデバイスを指定して、--killオプションかAlwaysKillを指定した場合にそのデバイスを使用するプロセスを終了させる |
DisableWriteCacheOn | イメージを書き込む対象のディスクへの書き込みが終わる前に電源が切れる場合に、そのディスクのデバイス名(/dev/hdaや/dev/sdaなど)を指定 |
FBSplash | fbsplashを使用する(on)/しない(off) |
FBSplashTheme | fbsplashのテーマ名 |
Unmount | 休止前にマウント解除するマウントポイントもしくはデバイス名をスペース区切りで書く |
Mount | 復帰後にマウントするマウントポイントもしくはデバイス名をスペース区切りで書く |
UnmountFSTypes | 休止前にマウント解除するファイルシステムの種類(主にnfsやcifsといったネットワークファイルシステム・スペース区切り) |
ChangeGrubMenu | GRUBのメニュー入れ替え機能を使用する(yes)/しない(no) |
AlternateGrubMenuFile | GRUBのメニューを入れ替えることにより、休止した後の起動で使用されることになるメニューファイルのパス名 |
BackupGrubMenuFile | 通常時のGRUBメニューファイルを一時退避させるときのパス名 |
RadeonTool | Radeontoolを使用してRadeonベースのノートPCでバックライトを切る |
FullSpeedCPU | cpufreqの状態をディスクに保存した後、CPUのクロック周波数や電圧を最高まで上げ、休止処理を高速化(cpufreqが動作しているときにのみ有効) |
項目名 | 説明 |
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LockKDE | KDEを使用している場合 |
LockXScreenSaver | XScreenSaverを使用している場合 |
LockGnomeScreenSaver | GNOMEを使用している場合 |
項目名 | 説明 |
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OnSuspend | 休止前にカスタムコマンドを実行。2桁の数字の後ろにコマンド行を書く。数字は休止の進む段階に応じて決まっているが、ログを見ると、どこに入れるべきか分かりやすい |
OnResume | 復帰後にカスタムコマンドを実行。2桁の数字の後ろにコマンド行を書く。数字はOnSuspendと同様 |
項目名 | 説明 |
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UnloadModules | 休止前に削除するモジュール名をスペース区切りで書く |
LoadModules | 復帰後に読み込むモジュール。「auto」で、休止時に削除したモジュールを再読み込みできる他、スペース区切りで書くこともできる |
UnloadBlacklistedModules | /etc/hibernate/blacklisted-modulesに書かれた(復帰時に問題の起こるとされる)モジュールを休止前に削除する(yes)/しない(no) |
UnloadAllModules | 全てのカーネルモジュールを休止前に削除する(yes)/しない(no) |
LoadModulesFromFile | 指定したリストファイルに書かれたモジュールを復帰時に読み込む |
項目名 | 説明 |
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DownInterfaces | 「auto」で、ループバック以外のネットワークインターフェースを休止前に停止する。もしくは「eth0」のような名前(複数可)で指定 |
UpInterfaces | 「auto」で、休止前に停止したネットワークインターフェースを有効にする。個別の名前(複数可)でも指定できる |
MuteAudio | alsa-utilsのamixerで、ALSAのミキサーの「Master」をミュートにする |
PauseAudio | オーディオプレーヤーを一時停止にする。対応しているものはscriptlets.d/pause_audioを参照 |
EjectCards | pcmciautilsのpccardctlでカードの切り離し/接続をする |
項目名 | 説明 |
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IncompatiblePrograms | ここに書いたプロセスが動作していて--killもしくはAlwaysKillの指定があればこれを終了し、なければ休止を中断 |
RemountXFSBoot | XFSファイルシステムを/bootに使用したときの不具合を回避するため、読み取り専用で再マウントする |
StopServices | 休止前に止めるサービス(スペース区切り)。/etc/init.d/以下のファイル名で指定。 |
StartServices | 復帰時に開始するサービス。書式は上に同じ。 |
RestartServices | 休止前に止め、復帰後に開始するサービス。書式は上に同じ。 |
項目名 | 説明 |
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EnableVbetool | vbetoolによる状態の保存と復元を行う(yes)/行わない(no) |
RestoreVbeStateFrom | 事前に「vbetool vbestate save > [保存先]」のように保存しておく必要がある場合に、そのファイルの場所を指定 |
VbetoolPost | 復帰時にPOSTを実行(これが必要なカードもあれば、不具合の出るカードもある) |
RestoreVCSAData | AMD/ATIのfglrxドライバを使用しているときに指定(yes) |
SwitchToTextMode | 休止前にLinuxの端末に切り替える |
SwitchToTextModeOnResume | 復帰時にLinuxの端末に切り替えた後Xへ戻る |
UseDummyXServer | ダミーXサーバを使用する(yes)ことでビデオカードの状態を復元できる場合に使用 |
DummyXServerConfig | 上のダミーXサーバ用の設定ファイル名(/etc/X11/以下) |
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