試験運用中なLinux備忘録・旧記事

はてなダイアリーで公開していた2007年5月-2015年3月の記事を保存しています。

Debian/UbuntuにおけるAdobe Reader 8.1.1のインストールと日本語入力(SCIMを使用)について

Adobe社は、ダウンロードページにおいてDebianパッケージ(.deb形式)でのAdobe Readerの配布を行っている(日本語版もある)。
(2008/2/8)セキュリティ問題に対処した8.1.2が出ているので、最新版への更新を推奨。
(2008/7/13)Ubuntuの日本語ローカライズド版(x86_32)では「adobereader-jpn」というパッケージが用意されていて、非常に簡単にインストールできる。
Synapticパッケージマネージャ(システム - システム管理)で「reader」などで検索するのが、GUIを使った楽な手順。「adobereader-jpn-ipamonafont」も入れておくとよい。
パッケージインストール後、「アプリケーション - オフィス」からインストーラ(debファイルをダウンロード/インストールする)を実行後、起動できるようになる。
(2014/9/26)2014年9月時点では
ftp://ftp.adobe.com/pub/adobe/reader/unix/
からたどって最新バージョンのファイルを取得する。

  1. x86_32
  2. x86_64
  3. SCIMを使用した日本語入力について
    1. x86(Debian lennyで実験)
    2. x86_64(Ubuntu Gutsyで実験)

x86_32

Debianパッケージの対象アーキテクチャなので、簡単にインストールできる。以下のコマンドは、アプリの実行ではなく、端末から実行する。

$ sudo dpkg -i [AdobeReader_jpn-8.1.1-1.i386.debの場所]

もし、依存しているパッケージが足りずにエラーになった場合は

$ sudo apt-get -f install

で足りないパッケージをダウンロード・インストールしてくれる。
ヘルプや操作ガイドを使用するには、「xulrunner」パッケージをインストール*1して、環境設定ダイアログの「インターネット」からlibgtkembedmoz.soの場所を/usr/lib/xulrunnerに指定する。

x86_64

アーキテクチャを無視して強引に入れて問題ないが、32bitライブラリを使用する点には注意。

$ sudo dpkg -i --force-architecture [AdobeReader_jpn-8.1.1-1.i386.debの場所]
dpkg - 警告、--force が有効なので、問題を無視します:
 パッケージアーキテクチャ (i386) がシステム (amd64) と一致しません
未選択パッケージ adobereader-jpn を選択しています。
(データベースを読み込んでいます ... 現在 [ファイル/ディレクトリの数] 個のファイルとディレクトリがインストールされています。)
(AdobeReader_jpn-8.1.1-1.i386.deb から) adobereader-jpn を展開しています...
adobereader-jpn (8.1.1) を設定しています ...

もし、「ia32-libs」パッケージが入っていない場合(インストールされているかのチェックはされない)、起動しようとしても

$ acroread
exec: 610: /lib/ld-linux.so.2: not found

となり、起動できないので、事前に入れておく。
(x86_64環境上で)ヘルプや操作ガイドを使用するには、以前の記事に書いたように
http://download.cdn.mozilla.net/pub/mozilla.org/xulrunner/releases/1.8.1.3/contrib/linux-i686/
からx86_32版XULRunnerを落として/opt/以下に展開し、libgtkembedmoz.soの場所を「/opt/xulrunner」と指定する。*2

(2008/2/11)上のXULRunnerは古くなっているため、最新のx86_32版Seamonkeyをダウンロード・展開して、その中のディレクトリを指定することを推奨。
http://download.cdn.mozilla.net/pub/mozilla.org/seamonkey/releases/
のバージョン番号のディレクトリにあるseamonkey-[バージョン].en-US.linux-i686.tar.gzをダウンロードする。

(2014/9/26)Mozillaのサーバのリンク先を修正


x86_64版Firefox上でPDFプラグインを使用する場合、「nspluginwrapper」パッケージを入れて、パネルのアプリ実行や端末から

gksudo "nspluginwrapper -i /opt/Adobe/Reader8/Browser/intellinux/nppdf.so"

を実行。登録を解除するには

gksudo "nspluginwrapper -r /usr/lib/firefox/plugins/npwrapper.nppdf.so"
gksudo "nspluginwrapper -r /usr/lib/mozilla/plugins/npwrapper.nppdf.so"

の2つを実行。x86_64版Ubuntu Gutsy(7.10)のFirefox上で動作したのを確認。

SCIMを使用した日本語入力について

x86(Debian lennyで実験)
scim-gtk2-immodule」パッケージを入れ、環境変数GTK_IM_MODULEに「scim」を指定することで、問題なく日本語入力できた。「scim-bridge」パッケージと、GTK_IM_MODULE=scim-bridgeの指定では、Gentoo上と同様、うまく動作するときと動作しないときとがあり、安定していない。
XIM経由はうまくいかなかった。

x86_64(Ubuntu Gutsyで実験)
(2007/11/22)以下の問題は、多少手間がかかるが、「x86_64版Ubuntu Gutsyで32bit版GTK+ 2アプリで日本語が入らない件についてのその後」の作業により解決した。


64bit版GTK+ 2のモジュールを開こうとしてしまい、うまくいかない。ia32-libsのバージョンは「2.1ubuntu3」。

(acroread:4054): Gtk-WARNING **: /usr/lib/gtk-2.0/2.10.0/immodules/im-xim.so: wrong ELF class: ELFCLASS64

(acroread:4054): Gtk-WARNING **: Loading IM context type 'xim' failed

これは32bit版GTK+ 2のパッケージ側の問題?別の32bitなGTK+アプリで実験しても、日本語入力はできず、同様のメッセージが出る。

*1:実際には「libxul0d」パッケージに含まれる

*2:展開先は別の場所でもよいのだが、分かりやすい場所として指定