GTK+ 2のAuroraエンジンについて
GTK+ 2のAuroraというテーマエンジンが
http://www.gnome-look.org/content/show.php/Aurora+Gtk+Engine?content=56438
にあるのだが、これはKDE4の既定となっている「Oxygen」の色スキーム(配色テーマ)やスタイルと比較的マッチしている気がする*1。単体でも見栄えの良いテーマエンジンの1つとなっている。
参考として、QtCurveというテーマはQt4/Qt3/GTK+ 2の全てに提供されているため、GTK+ 2とQt(3と4)の外観をかなり近いものにできるのだが、このようなテーマは少ない。
なお、GTK+ 2向けのOxygenの移植版もあるようだ。
インストール
インストールに関しては以下を参照。(2008/7/11)Gentoo LinuxではPortageツリーに入り、標準のパッケージとして利用できるようになっている。
Gentoo Linuxでは「desktop-effects」のOverlayに含まれている(2008/3/2現在ではバージョン1.0のものだが、SRC_URIを下のように修正した上で
SRC_URI="http://gnome-look.org/CONTENT/content-files/56438-Aurora-${PV}.tar.bz2"
バージョン番号部分を変更してローカルOverlayに配置することで、バージョン1.4をインストールできる)。なお、GTK+ 2のバージョンは2.10以上が要求されるため、
RDEPEND=">=x11-libs/gtk+-2.10"
に変更したほうがよさそう。
問題点
gnome-look.orgのページに書いてある通り、OpenOffice.orgでの表示が汚くなるところがある。Javaアプリケーション上でGTK+ 2が使用されたときにもおかしくなるようだ。一番困るのが、マウスポインタを乗せたところに出る説明(ツールチップ)の文字が
このように読みにくくなってしまうところが出る点。上の画像は「新規作成」と表示している。
(2008/3/6)Aurora-Midnightでは文字が白く出て、見づらくはなっていない。
エンジンのカスタマイズ
gtkrcファイルの中にカスタマイズ可能な部分があるのだが、/usr/share/themes/Aurora/gtk-2.0/gtkrcはシステム全体で使用されるため、テーマディレクトリ(/usr/share/themes/Aurora/以下)を[ホームディレクトリ]/.themes/*2以下にコピー*3した上でファイル[ホームディレクトリ]/.themes/Aurora-custom/gtk-2.0/gtkrcを編集することになる。エンジンのカスタマイズができるのは
engine "aurora" { menubarstyle = 1 # 0 = flat, 1 = gradient, 2 = sunken curvature = 6.2 arrowsize = 1.0 # controls combo_arrow circle size. Diameter set by (11 + 2 * arrowsize) old_arrowstyle = FALSE #set to TRUE for original circled arrows animation = TRUE # FALSE = disabled, TRUE = enabled }
の部分。広い意味ではgtkrc全体がエンジンのカスタマイズファイルとなっているのだが、このエンジン固有の設定としてはこの範囲。
menubarstyle
メニューバー(「ファイル」「編集」などのメニュー部分)の背景のグラデーションに関するスタイルを選択する。画像はgtk-demoの「Application main window」。menubarstyle=0(flat)
menubarstyle=1(gradient)
menubarstyle=2(sunken)
curvature(曲率)
色々な部分の角をどれだけ丸くするかを指定する。丸いほうが精神衛生上良いのだが、大きくしすぎると変になるところが出る。10を越えるあたりからおかしくなるようだ。画像は「KDE4上のGTK+ 2の設定について」で使用したgtk-chtheme。既定値(6.2)
curvature=10
curvature=16
arrowsize
リストなどの矢印の大きさを指定する。画像はgeditとファイル参照ペイン(プラグイン)。既定値(1.0)
arrowsize=3.0
old_arrowstyle
リストなどの矢印のスタイルを以前のバージョンのものにするかどうか。画像は上と同様にgeditとファイル参照ペイン(プラグイン)。old_arrowstyle=FALSE
old_arrowstyle=TRUE
animation
インストール時に--enable-animationオプションを付けてconfigureスクリプトを実行し、かつ「animation=TRUE」が設定されているときに限り、進行状況バーのアニメーションが有効になる。「FALSE」指定時もしくは--enable-animationなしでビルドされた場合には無効になる。使用したバージョン:
- Aurora Gtk Engine 1.4
- OpenOffice.org 2.3.1