試験運用中なLinux備忘録・旧記事

はてなダイアリーで公開していた2007年5月-2015年3月の記事を保存しています。

GTK+ 2のAuroraエンジンについて

GTK+ 2のAuroraというテーマエンジンが
http://www.gnome-look.org/content/show.php/Aurora+Gtk+Engine?content=56438
にあるのだが、これはKDE4の既定となっている「Oxygen」の色スキーム(配色テーマ)やスタイルと比較的マッチしている気がする*1。単体でも見栄えの良いテーマエンジンの1つとなっている。
参考として、QtCurveというテーマはQt4/Qt3/GTK+ 2の全てに提供されているため、GTK+ 2とQt(3と4)の外観をかなり近いものにできるのだが、このようなテーマは少ない。
なお、GTK+ 2向けのOxygenの移植版もあるようだ。

  1. インストール
  2. 問題点
  3. エンジンのカスタマイズ
    1. menubarstyle
    2. curvature(曲率)
    3. arrowsize
    4. old_arrowstyle
    5. animation

インストール

インストールに関しては以下を参照。

(2008/7/11)Gentoo LinuxではPortageツリーに入り、標準のパッケージとして利用できるようになっている。
Gentoo Linuxでは「desktop-effects」のOverlayに含まれている(2008/3/2現在ではバージョン1.0のものだが、SRC_URIを下のように修正した上で

SRC_URI="http://gnome-look.org/CONTENT/content-files/56438-Aurora-${PV}.tar.bz2"

バージョン番号部分を変更してローカルOverlayに配置することで、バージョン1.4をインストールできる)。なお、GTK+ 2のバージョンは2.10以上が要求されるため、

RDEPEND=">=x11-libs/gtk+-2.10"

に変更したほうがよさそう。

問題点

gnome-look.orgのページに書いてある通り、OpenOffice.orgでの表示が汚くなるところがある。Javaアプリケーション上でGTK+ 2が使用されたときにもおかしくなるようだ。
一番困るのが、マウスポインタを乗せたところに出る説明(ツールチップ)の文字が

このように読みにくくなってしまうところが出る点。上の画像は「新規作成」と表示している。
(2008/3/6)Aurora-Midnightでは文字が白く出て、見づらくはなっていない。

エンジンのカスタマイズ

gtkrcファイルの中にカスタマイズ可能な部分があるのだが、/usr/share/themes/Aurora/gtk-2.0/gtkrcはシステム全体で使用されるため、テーマディレクトリ(/usr/share/themes/Aurora/以下)を[ホームディレクトリ]/.themes/*2以下にコピー*3した上でファイル[ホームディレクトリ]/.themes/Aurora-custom/gtk-2.0/gtkrcを編集することになる。
エンジンのカスタマイズができるのは

  engine "aurora" 
  {
	  menubarstyle    = 1 # 0 = flat, 1 = gradient, 2 = sunken
	  curvature       = 6.2
	  arrowsize       = 1.0 # controls combo_arrow circle size.  Diameter set by (11 + 2 * arrowsize)
	  old_arrowstyle  = FALSE #set to TRUE for original circled arrows
	  animation       = TRUE # FALSE = disabled, TRUE = enabled
  }

の部分。広い意味ではgtkrc全体がエンジンのカスタマイズファイルとなっているのだが、このエンジン固有の設定としてはこの範囲。

menubarstyle
メニューバー(「ファイル」「編集」などのメニュー部分)の背景のグラデーションに関するスタイルを選択する。画像はgtk-demoの「Application main window」。

menubarstyle=0(flat)

menubarstyle=1(gradient)

menubarstyle=2(sunken)

curvature(曲率)
色々な部分の角をどれだけ丸くするかを指定する。丸いほうが精神衛生上良いのだが、大きくしすぎると変になるところが出る。10を越えるあたりからおかしくなるようだ。画像は「KDE4上のGTK+ 2の設定について」で使用したgtk-chtheme

既定値(6.2)

curvature=10

curvature=16

arrowsize
リストなどの矢印の大きさを指定する。画像はgeditとファイル参照ペイン(プラグイン)。

既定値(1.0)

arrowsize=3.0

old_arrowstyle
リストなどの矢印のスタイルを以前のバージョンのものにするかどうか。画像は上と同様にgeditとファイル参照ペイン(プラグイン)。

old_arrowstyle=FALSE

old_arrowstyle=TRUE

animation
インストール時に--enable-animationオプションを付けてconfigureスクリプトを実行し、かつ「animation=TRUE」が設定されているときに限り、進行状況バーのアニメーションが有効になる。「FALSE」指定時もしくは--enable-animationなしでビルドされた場合には無効になる。

使用したバージョン:

*1:メニューやスクロールバーなどに大きく異なる部分もある

*2:無ければホームディレクトリ直下に.themesというディレクトリを作成する

*3:コマンドで行う場合は「cp -r /usr/share/themes/Aurora/ ~/.themes/Aurora-custom」