試験運用中なLinux備忘録・旧記事

はてなダイアリーで公開していた2007年5月-2015年3月の記事を保存しています。

GNU nanoの日本語メッセージカタログについて(2008/8/28現在)

公式のGNU nanoには、バージョン2.1.4の時点では日本語のメッセージカタログはなく、Gentoo Linuxでは各種メッセージは英語になっている。

一方で、以前からUbuntuでは何故か日本語のメッセージが出ていたのだが、どうやらこれは水野氏がUbuntu向けに作成しているもののようだ。

  1. Ubuntu以外のディストリにおける入手法
  2. Ubuntu以外のディストリにおける使用法
  3. 動作について

Ubuntu以外のディストリにおける入手法

Ubuntuのパッケージ検索でnano.mo*1を調べたところ、このファイルを含んでいるパッケージの名前は「nano」ではなく、「language-pack-ja-base」だった。Hardy(8.04)向けは
packages.ubuntu.com/hardy/language-pack-ja-base
にあった。*2
このパッケージのソースファイル(Hardyの場合language-pack-ja-base_8.04+20080415.tar.gz)をダウンロードして中身を展開すると、language-pack-ja-base/data/ja/LC_MESSAGES/nano.poが得られる。*3

Ubuntu以外のディストリにおける使用法

これはgettextのテキスト形式メッセージカタログ(.poファイル)なので、msgfmt機械語形式(.moファイル)に変換する。
下はGentooでの作業例。

$ sudo msgfmt -c --statistics language-pack-ja-base/data/ja/LC_MESSAGES/nano.po -o /usr/share/locale/ja/LC_MESSAGES/nano.mo
282 個の翻訳メッセージ, 78 個の未訳のメッセージ.

この方法では手動で.moファイルをインストールしているため、パッケージ管理システムの管理下ではなくなる。

動作について

バージョン2.1.4で試したところ、ヘルプの表示時に固まったり、端末の幅によってヘルプのレイアウトが崩れたりといった不具合は起きていない(問題なく使えている)。
横幅80桁の端末上では、画面下部にある操作ヘルプの文字などもきちんとおさまっている。
下は起動直後の画面上の文字をコピペしたもの。

  GNU nano 2.1.4              新しいバッファ                                    




















^G ヘルプ    ^O 保存      ^R 読み込み  ^Y 前のページ^K 切り取り  ^C カーソル位置
^X 終了      ^J 両端揃え  ^W 移動      ^V 次のページ^U 貼り付け  M-| 先頭行

下は検索(Ctrl+W)時にヘルプを表示(Ctrl+G)したところ(最初のページ)。

  GNU nano 2.1.4              新しいバッファ                                    

検索コマンドのヘルプ

 検索したい単語か文字を入力してエンターを押してください。もし検索語にマッチする
テキストが見つかったならば、カーソルが見つかったテキストの位置へ移動します。

 テキストを検索する方向は検索プロンプトの表示で見分けることができます。検索語を
何も入力せずにエンターを押すと、前回の検索語が使用されます。
 テキストの置換を行う場合は、選択範囲内のテキストに対してのみマッチが行われます
。

 検索モードでは以下のファンクションキーが使用できます。

^G      (F1)            ヘルプを表示します
^C                      動作を取り消します
^Y                      Go to the first line of the file
^V                      Go to the last line of the file

^T                      指定位置へ移動
^R                      正規表現置換

^G ヘルプ       ^Y 前のページ   ^Y 先頭行
^X 終了         ^V 次のページ   ^V 最終行

使用したバージョン:

  • GNU nano 2.1.4

*1:Ubuntu上の場所は/usr/share/locale-langpack/ja/LC_MESSAGES/以下

*2:packages.ubuntu.com/intrepid/language-pack-ja-baseには更に新しいバージョン(20080527版)があったが、内容を比較したところ、翻訳の内容自体はHardyのものと同一だった

*3:もちろん、それ以外の大量のファイルは関係のないものなので消すことになる