試験運用中なLinux備忘録・旧記事

はてなダイアリーで公開していた2007年5月-2015年3月の記事を保存しています。

Gentoo Linux 2008.0 ライブCDのGUIインストーラでGUI構成のインストールをしてみた

(2009/6/9)Gentoo Linuxの「[西暦年].[番号]」形式のリリースは2008.0まで*1で、それよりも新しいリリースは常にダウンロードページの「Gentoo Minimal Install CD and Stages」にある最小限構成インストールCDイメージ(インストール作業用起動ディスク)とstage3ファイル(基本システム部分をまとめたもの)のみの提供となっている。ここにあるファイルは頻繁に更新されるため、常に新しいパッケージ構成から始められるようになっている。
(2009/10/8)10周年を迎えてライブDVDがリリースされているが、インストーラは存在しない。GUI環境の起動ディスクとしては利用価値がある。「Gentoo Linux 10.0 Live DVDに関するメモ」も参照。
以下は古い内容となる。

Gentoo Linuxのインストールはハンドブックと呼ばれる大規模なドキュメントを見ながらCLI上で多くの手作業を行いながらインストールの流れを少しずつ進めていくという形だったが、ライブCDのGUIインストーラを用いると、比較的楽にインストール作業が行え、しかも標準的な構成のビルド済みパッケージ群によって、GUI環境(2008.0ではXfce 4.4)のインストールに至るまでを短時間で行える。ただ、2008.0の段階では、GUIインストーラのインターフェースはあまりユーザフレンドリーではないと感じる部分もあった。
ここでは、2008.0のx86_64版ライブCD(livecd-amd64-installer-2008.0-r1.iso)のGUIインストーラを用いてインストール作業を行う流れを、多くのスクリーンショットとともにまとめておく。

  1. パーティション編集
  2. マウントポイントの設定
  3. stage tarballの展開
  4. Portageツリーの展開
  5. 管理者(root)のパスワード設定
  6. タイムゾーン指定
  7. カーネルのインストール
  8. ネットワーク(TCP/IP)設定
  9. 幾つかのパッケージ
  10. ユーザの設定
  11. 追加パッケージのインストール
  12. サービスの設定
  13. その他の設定
  14. 終了

パーティション編集

パーティション編集ツールはあまり使いやすくはない印象があった。気に入らなければ、別のライブCD(UbuntuのCDでもKNOPPIXでも可)でGUIパーティション編集アプリケーション(GPartedQTPartedなど)を使用して編集しておくのも手。

マウントポイントの設定

「Add」を押して(自動的にマウントしたい)デバイス名を選択後、マウントポイントやマウントオプションを手入力し、「Update」で反映する作業を繰り返す。

stage tarballの展開

結構時間がかかる。

Portageツリーの展開

2008.0が出た時点のPortageツリーが展開されるが、最新の状態で使用したいのであれば、インストール後にスナップショットをミラーサーバの/snapshots/portage-latest.tar.bz2もしくは/snapshots/portage-latest.tar.lzma*2のどちらかからダウンロードして展開し、置き換えることになる。

管理者(root)のパスワード設定

打ち間違い対策として繰り返し入力するのがお約束。

タイムゾーン指定

国内なら迷わず「Asia/Tokyo」。地図上の東京の辺りをクリックすれば選択される。

カーネルのインストール

ビルド済みのパッケージが使用される(ファイルがコピーされるだけ)。LiveCD同様、起動時にモジュールを色々と読み込むので起動は遅い。
カーネルのビルド設定をいじくりたいのであれば、インストール後に「gentoo-sources」などをインストールしてビルドすることになる。

ネットワーク(TCP/IP)設定

DHCPもしくは静的設定の好きなほうが選べる。マウントポイントの設定のように、各項目を埋めた後で上の一覧に追加する形となる。

右のタブではホスト名の変更ができる。

幾つかのパッケージ

ここで幾つかのパッケージがインストールされる。それほど長くはない。

ユーザの設定

一般ユーザを追加していく。シェルなども手入力しないといけないのはちょっとどうかという気もした。各項目を埋めた後「Accept Changes」で上の一覧にユーザを追加する。

追加パッケージのインストール

任意で追加のパッケージがインストールできる。Gentoo公式のビルド済みパッケージが利用したいのであれば、必要なものをここで選択しておく。

2008.0で選択できるものを全て下に示す。

  • X11
    • gdm - GNOME Display Manager
    • xfce4 - XFCE Desktop Environment
    • xorg-x11 - An X11 imprementation maintained by the X.Org Foundation
    • gentoo-artwork-livecd - Desktop background used on this disk
  • Recommended
    • gnupg - The GNU Privacy Guard, a GPL PGP replacement
    • nmap - A utility for network exploration or security auditing
    • screen - full-screen window manager that multiplexes between several processes
    • netcat - the network swiss army knife
  • Servers
  • Misc
    • slocate - Secure way to index and quickly search for files on your system (drop-in replacement for 'locate')
    • traceroute - Utility to trace the route of IP packets
    • ufed - Gentoo Linux USE flags editor
    • logrotate - Rotates, compresses, and mails system logs
    • vim - Vim, an improved vi-style text editor
    • bittorrent - tool for distributing files via a distributed network of nodes
    • rdesktop - A Remote Desktop Protocol Client
    • ntp - Network Time Protocol suite/programs
  • Desktop


選択した項目によって、追加でパッケージのインストールが行われる。

サービスの設定

上でインストールしたパッケージの中でサービスを提供するものに対して、自動起動するものにチェックをする。GDMX Window Systemのグラフィカルログインをしたいなら「xdm」にもチェックする。

その他の設定

必要に応じて、残った幾つかの設定を行う。

終了

左下の「Exit」から終了して再起動する。

Xfce4とGDMをインストールし、「xdm」のサービスを自動起動する設定をした場合、この後の(インストール先)ディスクからの起動でGDMからのグラフィカルログインでXfce4のセッションに入れるようになる。

ただし、ロケール設定などはできていなかったため、ドキュメントを参考に手動で行うことになった。日本語環境まではまだ色々と(パッケージ追加を含めた)作業が必要。

*1:2008.1や2009.0などはない

*2:2008.0ではLZMA Utilsは入っていないため、後からインストールしないと処理できず、tarもバージョン1.19なので--lzmaオプションは使えない