GNOMEの高度な設定に関する覚え書き(2009/4/23現在)
GNOME上の各種アプリケーションには設定項目はそれほど多くは用意されておらず、一見シンプルにも見えるのだが、実際には別の設定システムにおいて変更できる色々な設定項目が用意されている場合が多い。これは慣れていないユーザと高度な設定を行いたいユーザのどちらにも優しい設計となっている。
(2015/1/7)本記事の内容はGNOME 2向けのものとなり、GNOME 3はもちろん、Mateデスクトップ環境(関連記事)でも設定には新しい機能が用いられているため、いずれにも当てはまらない。
GConfとその設定ツール
GConf
GNOMEにはGConfという設定データベース/デーモンの仕組みが用意されている。設定の内容自体は[ホームディレクトリ]/.gconf/以下のディレクトリツリーに保存されているが、直接ファイルを編集することはしない。GNOME2のGConfはバージョン2。データのほうもディレクトリによるツリー構造を持ち、値には
- int(整数)
- float(実数)
- string(文字列)
- list(リスト)
- bool(真偽値)
といった種類(型)がある。
gconf-editorとgconftool
この設定をGUIで編集するためのソフトウェアがgconf-editor(設定エディタ)で、Windowsのレジストリエディタに近い感覚で設定を編集する。普通にメニューなどから起動する場合はウィンドウ左のツリーから変更したい設定の階層に移動して右側にその階層の項目を表示してから編集することになるのだが
$ gconf-editor /apps/[名前]
のように設定の階層を引数に与えるとその階層が開いた状態でエディタが開始する。また、gconftool-2コマンド(GConf本体に同梱されているツール)を用いて非対話で値を設定することもできる。下は幾つかの例。
$ gconftool-2 --set --type boolean /apps/deskbar/hide_after_action true $ gconftool-2 --set --type int /apps/deskbar/minchars 4 $ gconftool-2 --set --type list --list-type string /apps/deskbar/enabled_handlers "[HistoryHandler,ProgramsHandler]"
リスト形式の場合は--type listと--list-type [項目の型]のオプションを付け、コンマ区切りの項目群を角括弧でくくったものをクォートして指定する。
なお、シェルやシェルスクリプトから
gconftool-2 --get [設定項目]
を実行するとその結果が出力される。
設定用ツールを使用する
GNOMEデスクトップ環境に関する幾つかのGConf設定はカスタマイズツールによって編集することができる。ただ、ここで扱っているものはそれほど新しくはない。gTweakUI
gTweakUI(gtweakui.sourceforge.net/)ではといった項目について設定が行える。それぞれに別々のプログラムが用意されている。
メニューの切り離しや動的なショートカットキー変更の有効化、ログイン時のスプラッシュ画像といった設定が行えるのが便利。
GNOME Configurator
GNOME Configurator(cog)(www.krakoa.dk/old-linux-software.html)を用いることによって幾つかの高度な設定を行うことができる。しかし、このソフトウェアは今後メンテナンスされないようだ。こちらでもメニューやNautilusなどの設定が行えるが、パネルやMetacityウィンドウマネージャの設定項目もある。
使用したバージョン:
- GConf2 2.24.0
- gconf-editor 2.24.0.1
- gTweakUI 0.4.0
- GNOME Configurator 0.8.0