試験運用中なLinux備忘録・旧記事

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IBus/IBus-Anthyのその後(2009/6/24現在)

IBus/IBus-Anthyのその後(2009/6/12現在)」におけるかな入力の問題がバージョン1.2.0.20090617で解決したとのコメントをid:tree3yama氏から頂いたので、早速試してみた。

インストール

IBus/IBus-Anthyのその後(2009/6/12現在)」のときはMandriva Linuxの開発版のパッケージが使用できたが、2009/6/24の時点では同パッケージがバージョン1.2.0になっていなかったため、バージョン1.1.0系のソースRPMをもとにバージョン番号だけ書き換えた.specファイルを用いてパッケージを作成した。
.specファイルへのバージョン番号以外の変更点としては、共有ライブラリのファイル名がlibibus.so.0(.0.0)からlibibus.so.1(.0.0)に変更されたのを受けてファイル名一覧部分を

%files -f %name.lang
%defattr(-,root,root)
%doc AUTHORS COPYING ChangeLog NEWS README
%{_sysconfdir}/gconf/schemas/ibus.schemas
%{_bindir}/*
%{_libdir}/libibus.so.1*
%{_libexecdir}/ibus-gconf
%{_libexecdir}/ibus-x11
%{_libexecdir}/ibus-ui-gtk
%{_datadir}/applications/*.desktop
%{_datadir}/ibus/*
%{_datadir}/pixmaps/*
%{python_sitelib}/*
%exclude %{_sysconfdir}/xdg/autostart/ibus.desktop

のようにした点のみ。IBus-Anthyについてはバージョン番号部分の修正のみでビルド/インストールできた。

かな入力のテスト

本体の設定における「Advanced」タブ、「Keyboard Layout」の「Use system keyboard layout setting」のチェックの有無により挙動が異なったが、残念ながら、手元の環境ではどちらの設定においてもは正常に出なかった。

本体の設定内・キーボードに関する追加設定項目
(2009/6/26)かな入力をする際にはこのチェックは必須となる。この設定項目については開発者のあべ氏から次のようなコメントを頂いているのでここにコピペしておく。

「Use system keyboard...」は通常はチェックしてください。特に英語キーボード使用者は必須です。
これがデフォルトでオフなのは非アルファベット言語キーボード利用者を意識して
の事だそうです。

以下、以前の内容となる。
なお、uim上では正常にキーにより「ー」の文字が出ることを確認している。
xmodmapやxkbの設定はいじっていない(「キーボード上の拡張キーにシンボルを割り当てて使用する」で幾つかの未使用な拡張キーをファンクションキーにした程度)
tree3yama氏(と開発者のあべ氏)は正常動作したらしいので、IBusと別のところで環境/設定に違いがあるのかもしれない。
下にxevの結果を貼り付ける。
キー

KeyPress event, serial 35, synthetic NO, window 0x8200001,
    root 0x1a6, subw 0x0, time ttttttttt, (xxx,yyy), root:(xxx,yyy),
    state 0x10, keycode 211 (keysym 0x5c, backslash), same_screen YES,
    XKeysymToKeycode returns keycode: 133
    XLookupString gives 1 bytes: (5c) "\"
    XmbLookupString gives 1 bytes: (5c) "\"
    XFilterEvent returns: False

キー

KeyPress event, serial 35, synthetic NO, window 0x8200001,
    root 0x1a6, subw 0x0, time ttttttttt, (xxx,yyy), root:(xxx,yyy),
    state 0x10, keycode 133 (keysym 0x5c, backslash), same_screen YES,
    XLookupString gives 1 bytes: (5c) "\"
    XmbLookupString gives 1 bytes: (5c) "\"
    XFilterEvent returns: False

Xサーバの設定の中でキーボードに関連していそうな部分は
[引用]ファイル名: /etc/X11/xorg.conf より

Section "InputDevice"
    Identifier "Keyboard1"
    Driver "kbd"
    Option "XkbModel" "jp106"
    Option "XkbLayout" "jp"
    Option "XkbOptions" "compose:rwin"
EndSection

のみ。
以下は本体の「Use system keyboard layout setting」のチェック状態ごとの挙動となる。

「Use system keyboard layout setting」のチェックがオフのとき
  • 未確定文字列がないときにキーを押す: 半角バックスラッシュ/円記号の文字が出る
  • 未確定文字列*1に続いてキーを押す: 何も出ない

全角英数モードにしたときにキーを押すと全角バックスラッシュ、キーを押すと半角バックスラッシュ/円記号が出るため、2つのキーの区別自体はできているように見える。

「Use system keyboard layout setting」のチェックがオンのとき

キーを押すと「ろ」が入力される(Shiftキー付きでないと「ー」が出ない)
この挙動はバージョン1.1系のときと同様。

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関連URL:

使用したバージョン:

*1:下線が付いているひらがなもしくはカタカナ

*2:2009.1のソースRPMを2009.0上でビルドしてインストールしたものでG-HAL氏のパッチを含む・また、開発パッケージもビルドしたものをインストールしている

*3:2009.1のソースRPMを2009.0上でビルドしてインストールしたもの