試験運用中なLinux備忘録・旧記事

はてなダイアリーで公開していた2007年5月-2015年3月の記事を保存しています。

lessコマンド(前後スクロール可能なテキストファイル閲覧ツール/ページャ)について

lessは端末の中で書式無し(プレーン)テキストファイルを閲覧するツールで、前後にスクロールすることができる。この類のソフトウェアはページャと呼ばれる。
lessmoreというページャに対する名前だが、moreはページを進めることしかできないため、moreを使う必要性はない。

ディストリのパッケージについて

ディストリのパッケージとしてほぼ確実に用意はされているが、必須パッケージとして扱われていないこともあるので、もし「command not found」になってしまう場合は「less」というパッケージをディストリのパッケージマネージャから追加インストールする。

終了

lessを終了するにはQキーを押す。

ファイルを開く

ファイルを開いて見る場合、引数にその場所を指定して実行する。

$ less [入力ファイルの場所]

別のコマンドの出力を受け取って表示する

コマンドの出力が長いときなど、パイプを用いてlessにつなげて表示するということはよく行われる。このとき、引数は付けない。

(dmesgを用いた例)
$ dmesg | less

移動

下に移動キーの一部をまとめているが、完全な一覧はHキーを押してヘルプを開いて「MOVING」の部分を参照(英語)。
ヘルプもlessと同じ操作で前後にスクロールして読む。

lessの移動キー操作(一部)
キー機能
<先頭に移動
>末尾に移動
/Ctrl+P(Emacs方式)/Ctrl+Y(vi方式)1行手前(上)にスクロール
/Ctrl+N(Emacs方式)/Ctrl+E(vi方式)1行先(下)にスクロール
左にスクロール
右にスクロール
Alt+VもしくはEsc V(Emacs方式)/Ctrl+B(vi方式)1画面手前(上)にスクロール
SPACE/Ctrl+V(Emacs方式)/Ctrl+F(vi方式)1画面先(下)にスクロール
この他、数字を入力後Enterするとその行数分進む。

検索

/キーを押し、続けて検索したい文字列を入力する(最下行に表示される)と、全ての一致箇所が反転表示されつつ最初の一致箇所に移動する(画面上の一番上の行が一致行となる)。この状態で繰り返しNキーを押すと次の一致箇所へ移動し、更に押すとまた次に移動していく。
/キーの代わりに?を押して同様の操作を行うと、Nキーを押す度に手前(上)に向かって一致箇所をたどっていく。

変更監視モード

Shift+Fを押す(Caps Lock有効時にはShiftは押さない)と監視モードに入り、そのファイルにデータが追加書き込みされると表示が更新され、常にファイルの末尾を表示するようになる。「tail -f」に近い。
このモードを抜けるにはCtrl+Cを押す。

ANSIエスケープシーケンスが通らない場合

colordiffなどでANSIエスケープシーケンスにより色を付けた出力を受け取って表示しようとして「ESC[...」といった文字列がそのまま表示される場合、-R(--raw-control-chars)オプションを付けるとよい。シェルのエイリアスにするのも手。
ファイル名: ~/.bashrc, ${ZDOTDIR}/.zshrc

alias less='less -R'

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使用したバージョン:

  • less 418