Gentoo Linux 10.0 Live DVDに関するメモ
Gentoo Linuxが10周年を迎えたのに合わせてリリースされたLive DVDについてを扱う。
概要
これはDVDから起動するGNU/Linuxの「Live DVD」というもので、配布されているDVD ISOファイルを(イメージファイルとして)DVDに書き込んでDVDから起動するもの。仮想環境でDVDイメージ指定を行って起動することもできる。Gentoo Linuxの提供するビルド済みパッケージによる環境を体験することができる他、インストール時に起動ディスクとして使うこともできる。ハードディスクへそのままファイルをコピーして使い始めるという使い方もある。
なお、2008.0のときにあったようなインストーラは付属しないので、インストールを行う場合は手作業でのインストールを行うことになる。
また、日本語環境向けではないため、日本語の入力や表示などはそのままでは行えない。
入手は
www.gentoo.org/main/en/where.xml
から行う。
対応アーキテクチャ
x86_32/x86_64共通(32bit)版とx86_64(64bit)版のみ用意されている。起動とログイン、セッション
起動プロンプト(boot:)でそのままEnterを押すと(素の)端末上で一部キーが正常に入力できないのでgentoo-nofb
と入力後Enterし、しばらく待って
Please select a keymap from the following list by typing in the appropriate name or number. Hit Enter for the default "us/41" US English keymap. 1 azerty 7 cf 13 es 19 il 25 mk 31 ru 37 trf 2 be 8 croat 14 et 20 is 26 nl 32 se 38 trq 3 bg 9 cz 15 fi 21 it 27 no 33 sg 39 ua 4 br-a 10 de 16 fr 22 jp 28 pl 34 sk-y 40 uk 5 br-l 11 dk 17 gr 23 la 29 pt 35 sk-z 41 us 6 by 12 dvorak 18 hu 24 lt 30 ro 36 slovene 42 wangbe << Load keymap (Enter for default):
と出たら「jp」(もしくは「22」)と入力後Enterを押す。ただ、X Window System上での一部キーは押せないままとなっている(別途設定が必要)。
その後しばらく待つとログイン画面(kdm)になり、放置するとKDE4(4.3)に自動的にログインする。KDEからのログアウトはメニューの「Leave」から「Logout」を選択して行う。
KDE以外(GNOMEやXfce、その他各種環境)にログインするにはログイン画面中央左にある2つのボタン画像の内、左のほうをクリックしてセッションを選択する。選択されたら放置でOK。
なお、今回試したのはx86_64用だけなので試していないが、x86_64対応CPUで32bit版を使用しているときには64bitの「gentoo64」カーネルで起動することもできるようだ。
管理者権限での作業
X Window System上の端末エミュレータで管理者権限で作業する場合、sudoでsuを「-」指定で実行するとrootになれるので、端末からコマンドを実行する。gentoo@livecd ~ $ sudo su - livecd ~ #
もちろん毎回sudoで実行してもよい。
この他、Ctrl+Alt+F1や「sudo chvt 1」などで端末に移動するとrootの端末が動いているので、これを使う手もある。「chvt 7」かCtrl+Alt+F7でXに戻る。
ネットワーク
ネットワークはDHCPサーバがネットワーク上で動作していればDHCPクライアントにより自動的に設定される。インストール時の起動ディスクとして用いる場合、Web上のハンドブックを参照しながらインストール作業をすることができる(ただしそのままでは日本語は表示できないので和訳版を参照する場合は日本語フォントが必要)。その他
- ホームディレクトリを含め、基本的にシステムはtmpfs上に展開されるため、ホームディレクトリなどに一時的にデータを書き込むことができる
- アプリケーション自体は豊富に用意されていて、バージョンも2009年秋の時点でのそこそこ新しめの構成となっている。公式サイトの「Gentoo Linux - Ten Years Compiling: 1999 - 2009」の記事に具体的なソフトウェア名とそのバージョンが一部書かれている
- Wiresharkは管理者権限で実行しないとキャプチャできないが、管理者権限で起動すると警告が出る
- KDE Partition Manager(partitionmanager)やGParted(gparted)といったパーティション編集ツールが含まれている(これらも管理者権限で動かす)