試験運用中なLinux備忘録・旧記事

はてなダイアリーで公開していた2007年5月-2015年3月の記事を保存しています。

Adobe AIR向け青空文庫ビューア2つ(AIR草紙とAozora Bookshelf)について(2009/12/14現在)

ここではAdobe AIRを用いた2つの青空文庫形式テキストのビューアを扱う。いずれもWindows,Mac OS X,GNU/Linux(x86_32版もしくは32bitライブラリを含んだx86_64版ディストリ)において同一の配布パッケージが同じように動作する。
本記事で扱う2つのビューアはどちらも.airファイルが直接ダウンロードでき、インストーラ形式のAdobe AIRランタイムパッケージがインストールできない(もしくは、したくない)場合でも「ディストリに依存しないAIRアプリケーション実行方法」のスクリプトSDKを用いて起動できる(動作もSDKで確認)。

青空文庫とビューアについて

青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/ もしくは http://mirror.aozora.gr.jp/)には著作権切れもしくは自由に読むことのできるものとされた電子化済みの文学作品が公開されていて、無料で利用/ダウンロードできる。
ここにある作品は

  • 書式*1に関する独自のルールを用いて書かれた生テキスト形式(青空文庫形式テキスト)
  • XHTMLもしくはHTML

のいずれかの形式で公開されており、ここで公開されている作品を快適に閲覧するアプリケーション(青空文庫ビューア)の類が多数存在し、以下で扱うソフトウェアもこれに属する。

AIR草紙


http://www.memememo.com/u/sato/f1892/
で入手できる。

  • 個人が開発しており、広告付きだが、全画面表示時は隠れる
  • 青空文庫」ボタンから作者名、作品名をたどり、直接作品が開ける
  • キーボード操作は起動時のドキュメントの右下を参照
  • 実際の本の紙のように、後ろのページの字が薄く見える
  • 楽天ブックスの検索機能付き

フォントについては

「ー」など、一部表示がおかしくなる場合があるが、ドキュメントにも書かれている通り、別途Adobeが配布しているAdobe Readerに同梱されているフォントを用いると正しく表示される。Adobe Readerのバージョン9系では/opt/Adobe/Reader9/Resource/CIDFont/KozMinPr6N-Regular.otf${HOME}/.fonts/など、フォントの探索ディレクトリに入れておいてからこのフォントを用いるように設定すればよい。
(フォントの実体をコピーする代わりに)一般ユーザのフォントディレクト${HOME}/.fonts/内にシンボリックリンクを作成する場合、端末や「アプリケーションの実行」ダイアログなどで

ln -s /opt/Adobe/Reader9/Resource/CIDFont/KozMinPr6N-Regular.otf ~/.fonts/

をコピペして実行する。その後AIR草紙を起動して設定ダイアログを開き、フォントを「小塚明朝 Pr6N」にすると

正しく表示されるようになる。

Aozora Bookshelf


http://www.point-at.co.jp/products/aozora_bookshelf.html
で入手できる。企業の製品だが無料で利用可。

  • 作品を本棚から選択するという形が独特で、ここから作者名、作品名を調べてたどって作品が開ける
  • 本棚では「マイライブラリ」へ自分のお気に入り作品を登録・管理できる
  • 縦書きと横書きの両方に対応
  • 起動は遅く、ユーザインターフェースも全体的に重い
  • ページを送る(重い)視覚効果があるが、設定で無効化できる

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使用したバージョン:

*1:傍点やルビなどに関するものなど