試験運用中なLinux備忘録・旧記事

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ALSAサウンドシステム上のMIDI信号をキャプチャする(後半)

ALSAサウンドシステム上のMIDI信号をキャプチャする(前半)」の続き。

出力されるファイルについての注意点

アプリケーションからのキャプチャという性質により、書き出されるMIDIファイルの拍やテンポは元のMIDIシーケンスとは無関係となる。そのため、これを(元のファイルと同じように)編集したい場合はテンポを正確に設定(-b/--bpmオプションでキャプチャ時に設定もできる)してキャプチャした上で別途シーケンスソフトを用いて編集する作業が必要となり、簡単にはいかない。
キャプチャ時の分解能[tick]は--ticks/-tオプションで指定できる。その他オプションで指定できる項目が幾つかある。
キャプチャ済みのファイルに対して再生だけできれば事足りる場合、特に指定を行う必要はない。

Wine上のWindows向けMIDIアプリケーションからのキャプチャ

Wineではオーディオ出力にALSAドライバを用いることでALSAサウンドシステムのMIDIバイスが利用でき、Midi ThroughもしくはASeqViewのデバイスを選択することで同様にキャプチャが行える。
MIDIマッパーを用いるアプリケーション*1では既定のMIDIバイスとしてMidi ThroughもしくはASeqViewを指定するためのレジストリ設定が必要。
以下は(バージョン1.1.3以上の)Wine向けのレジストリ設定例。レジストリエディタで取り込む。

MIDIマッパー使用WinアプリでMidi Throughを用いる場合のレジストリ設定例

[任意]ファイル名: midimapper-sndseqdummy.reg

REGEDIT4

[HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Multimedia\MIDIMap]
"AutoScheme"=dword:00000000
"ConfigureCount"=dword:00000004
"CurrentInstrument"="Midi Through Port-0"
"CurrentScheme"=""
"DriverList"=""
"UseScheme"=dword:00000000
MIDIマッパー使用WinアプリでASeqViewを用いる場合のレジストリ設定例

[任意]ファイル名: midimapper-aseqview.reg

REGEDIT4

[HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Multimedia\MIDIMap]
"AutoScheme"=dword:00000000
"ConfigureCount"=dword:00000004
"CurrentInstrument"="MIDI Viewer - Viewer Port 0"
"CurrentScheme"=""
"DriverList"=""
"UseScheme"=dword:00000000

関連記事:

使用したバージョン:

  • ASeqView 0.2.8
  • alsa-utils 1.0.21
  • Wine 1.1.35

*1:アプリケーション内でMIDIバイスが選択できず、システムの「既定のMIDIバイス」を用いるMIDIアプリケーション