試験運用中なLinux備忘録・旧記事

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DocBook文書をPDFファイルに変換するdblatexで外部の設定ファイルを用いる(バージョン0.3現在・ページ3/3)

DocBook文書をPDFファイルに変換するdblatexで外部の設定ファイルを用いる(バージョン0.3現在・ページ2/3)」の続き。

ここまでのファイル配置

[ホーム]-+-[.dblatex]-+-[sty]-+-japanese.sty(ページ2に貼り付け)
      |            |       +-jlisting.sty(UTF-8に変換したもの)
      |            |
      |            +-[xsl]-----xetex-font-ipafont.xsl(ページ1に貼り付け)

${HOME}/.dblatex/は後述の設定ファイルの標準の探索ディレクトリの1つとなっているが、他のファイルの配置場所は設定ファイルから正しく指定すればどこでもよい(便宜上、上のように分けただけに過ぎない)。
jlisting.styの入手については「DocBook文書をPDFファイルに変換するdblatexでprogramlisting要素のコード内の日本語の表示がおかしくなる件とその対処について(バージョン0.3現在)」で扱っているが、手間を省くために配置場所は変更した。

dblatex設定ファイル(.specs/.confファイル)

プログラム本体の動作に関する設定を記述するもので

[設定名]: [値]

の形式をもったファイルを記述する。このファイルは実行時に--style(-T)オプションに渡した名前(スタイル名)によって幾つかのディレクトリからファイルが探索され、読み込まれる。設定ファイルの拡張子は「.specs」もしくは「.conf」とする必要がある。
例えば、--style=foo(-T foo)と指定した場合はfoo.specsもしくはfoo.confが探索され、読み込まれる。
ディレクトリは

から探索される。
自動で読み込まれる設定ファイルは存在しない。
詳しい設定名とその値については
http://dblatex.sourceforge.net/doc/manual/sec-specs.html
に載っている。
ページ2でも少し触れているが

  • TexStyleは中間ファイルの.texファイルに関する調整を行う.styファイルの名前(ファイルfoo.styを指定する場合の設定値は「foo」となる)
  • TexInputsはその.styファイルの(追加の)探索ディレクト
  • XslParamは出力に関する幾つかのパラメータを設定するためのXSLユーザスタイルシートのファイル名
  • Optionsは追加のコマンド行オプション

となり
[任意]ファイル名: ~/.dblatex/japanese-xetex-ipafont.specs

TexStyle:  japanese
TexInputs: /home/[ユーザ名]/.dblatex/sty
XslParam:  xsl/xetex-font-ipafont.xsl
Options:   -b xetex

のような設定ファイルを作成して

$ dblatex --style=japanese-xetex-ipafont [DocBook文書]

のようにして実行すると、日本語関係の幾つかの問題に対する対処を同時に行いつつ実行時のコマンド行がかなりシンプルになる。
このファイルは--config(-c,-S)オプションを用いて

$ dblatex --config=${HOME}/.dblatex/japanese-xetex-ipafont.specs [DocBook文書]

のように場所を直接指定することもできる。

関連記事:

使用したバージョン:

  • dblatex 0.3
  • TeX Live 2007-21.r6295.7mdv2010.0
  • Python 2.6.4