UbuntuでTuxOnIceを用いる(Ubuntu 10.10時点・前半)
システムの状態をディスクに書き出して次回起動時に復元するTuxOnIceの機能を有効にしてビルドされたカーネルとそれに関連するツールは、UbuntuではTuxOnIceの開発チームがPPAリポジトリを通じて公開している。一部ツールはUbuntu公式のパッケージが存在するものもあるが、最新のバージョンを提供している。
TuxOnIceを導入することで、マルチコア環境ではマルチスレッド処理によりメモリイメージの読み書き処理がuswsuspよりも高速に行えるようになる。
リポジトリ設定
「ppa:tuxonice/ppa」を追加する。リポジトリ追加の作業については「milkjfフォントとut(内海氏)版AnthyのUbuntu向けパッケージを作成(2010/11/20現在)」を参照。
パッケージのインストール
Synapticやapt-getコマンドなどで
- linux-generic-tuxonice(本体)
- linux-headers-generic-tuxonice(カーネル開発パッケージ・カーネルモジュールのビルドに必要)
- tuxonice-userui(休止/復帰時に用いるプログラム・最新バージョン)
- hibernate(休止に入るためのスクリプト・最新バージョン・hibernate-scriptを用いる場合のみ必要)
を選択してインストールする。
国内のパッケージミラーサーバと比べてPPAリポジトリのサーバからのダウンロード速度は遅く、特にこのTuxOnIceカーネルはサイズが大きいので取得に時間がかかる。
pm-utilsからTuxOnIceを用いる
デスクトップ環境などのログアウト時の「ハイバネート」項目からの休止かpm-hibernateコマンドを用いる休止の手順ではpm-utilsというツール群が用いられる。
これはTuxOnIceを標準でサポートしており、休止の方式(sleepモジュールの選択による)をTuxOnIceのものに指定することでTuxOnIceが用いられるようになる。しかし、復帰後に画面のロックがされない場合がある。また、カーネルがTuxOnIceパッチ未適用の場合は(当然)動作はしない。
sleepモジュールの選択
標準ではTuxOnIceは用いられない(古い休止の仕組みか、それを追加ツールで補助するuswsuspのどちらかのことが多い)ため、以下の内容のファイルを管理者権限で配置してTuxOnIceのモジュールが用いられるようにする。
[任意]ファイル名: /etc/pm/config.d/00sleep_module
SLEEP_MODULE="tuxonice"
/etc/pm/config.d/以下には/usr/lib/pm-utils/defaultsの内容をもとにしたファイルを管理者権限で配置することでpm-utilsの動作を色々と調整することができ、上のモジュール指定はその1つとなる。
(「UbuntuでTuxOnIceを用いる(Ubuntu 10.10時点・後半)」に続く)
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使用したバージョン: