試験運用中なLinux備忘録・旧記事

はてなダイアリーで公開していた2007年5月-2015年3月の記事を保存しています。

GNU/Linuxにおける省電力関係のまとめ(2011/3/22時点)

2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震(東北関東大震災/東日本大震災)に被災された皆様へ心よりお見舞い申し上げます。
(2012/3/11)一部の古い記述を削除し、タイトルも変更しました。以下、省電力に関係する内容のまとめ記事とします。

GNU/Linuxに関係する節電方法(一部)

モニタ関係
  • X Window System上のデスクトップ環境などにはモニタの省電力(DPMS)設定に関する項目があり、コマンドでは「xset dpms [スタンバイまでの秒数] ([サスペンドまでの秒数] ([オフまでの秒数]))」で値が変更可・設定された時間を何も操作せずに経過すると省電力状態になる
  • NVIDIA製/AMD(ATI)製グラフィックボードを使用している場合: それぞれのドライバに付属する独自ツールでモニタの明るさやガンマを調整可

(2011/4/24)上記以外のグラフィックドライバを使用している場合は「X Window Systemでnvidia,fglrx以外のドライバを用いた環境における明るさとガンマの調整について(ページ1/3)」とその続きのページを参照。

CPU関係
  • CPUに省電力機能がある場合: cpufreqでクロックや電圧を(安全に)低いものに切り替えることが可能
  • CPUがAMDのK10/K10.5世代(Phenom IIAthlon IIなど)の場合: k10railgunというツールで各クロックに対応する電圧を下げること(低電圧化)が可能(データ破損などのリスクあり)

(2011/3/27)cpufreqdについて、常に最低限のクロック・電圧で動作するようにする設定例(ファイル全体)を下に貼り付ける。cpufreqやcpufreqdについて詳しくは「動的にCPUクロックや電圧を変更するcpufreqの概要とcpufreqdデーモンについて」を参照。
ファイル名: /etc/cpufreqd.conf

# CPUの省電力機能を用いて常に最低限の電力で動作するようにし
# かつcpufreqdのデーモンの処理を少なくするためのcpufreqdの設定例(/etc/cpufreqd.conf)

[General]
pidfile=/var/run/cpufreqd.pid
# poll_intervalはデーモンがシステム上の状態を取得する間隔で
# この時間ごとにルール設定をもとに次に(自動的に)切り替えるプロファイルを決定し
# プロファイルを切り替える処理を行うまでの一連の流れを繰り返すのだが
# 常にプロファイルを固定する場合はデーモンがこれらの処理を行う意味がなく
# ムダな処理コストとなるので、大きな値にする
poll_interval=100000
# 0にするとUNIXドメインソケットによる情報取得やプロファイル手動切り替えを用いないようになる
enable_remote=1
# remote_groupについては
# システムにwheelグループがあり一般ユーザがこれに属していれば「wheel」
# Ubuntuでは「admin」でよい
#remote_group=wheel
remote_group=admin
# メッセージは出力しない
verbosity=0
[/General]

# 可能な限りクロック・電圧を下げるためのプロファイル(唯一のプロファイル)
[Profile]
name=min
minfreq=0%
maxfreq=0%
policy=powersave
[/Profile]

# 常に最低限のクロック・電圧で動作するようにするルール(唯一のルール)
[Rule]
name=default
cpu_interval=0-100
profile=min
[/Rule]

もちろん、cpufreqdを使用せずにcpufreq-setで最低のクロックによるように手動で操作する方法もある。
(2011/4/6)k10railgunについては「k10railgunによるK10/K10.5世代のAMD製CPUの電圧下げに関するメモ(バージョン0.801.8a時点・ページ1/3)」とその後のページにまとめた。

作業に関するもの
  • TuxOnIceやuswsusp(いずれもhibernate-scriptやpm-utils(デスクトップ環境などのログアウト時の項目含む)から利用可)により作業状態(メモリ内容)をディスクに書き出して電源を切り、次回起動時にそれを復元して直前の状態から作業を再開することができる(ハイバネーション・休止状態)
  • ウィンドウマネージャのCompizではスケールなどのプラグインを用いてウィンドウ制御に関する作業の能率を上げることができ、その上で各種アニメーションの時間を短くすることで更に使いやすくできる
  • Anthyの変換履歴に基づく予測入力機能を用いるとキー入力の手間がかなり減り、更に改造版では学習データの寿命が長くなるなど、使い勝手が向上している
  • Klipper,Glipperなどのクリップボードマネージャはクリップボード履歴を保持して一覧から簡単に過去の文字列をコピーできて便利
その他
  • w83627ehf系チップ搭載マザーボードではCPUファンの低温時の回転数を低くすることが可能
  • lm_sensors,hddtempなどのツールでシステムの各種状態を監視することができ、GKrellMのようなツールでまとめて確認することができる

節電関係のリンク(主に検索結果):