試験運用中なLinux備忘録・旧記事

はてなダイアリーで公開していた2007年5月-2015年3月の記事を保存しています。

Mageia 1(Mandriva Linuxの派生ディストリビューション)に関する幾つかのメモ

  1. Mageiaについて
  2. 一部の構成パッケージのバージョン
  3. パッケージが少ない?
  4. ミラーサーバの選択
  5. OSのインストール
  6. KDE4上のLibreOfficeの文字化け対策
  7. メディアの分類

Mageiaについて

Mandriva Linuxに基づいたコミュニティによる派生ディストリビューションとして2010年秋にプロジェクトが開始し、最初のバージョンが2011年6月に公開された。

(2011/6/3)Mandriva Linuxからの分岐については、Mandriva Linuxの先行きが不透明ということが大きい。また、過去のバージョンとして、2010年6月上旬頃には公開予定だった2010.1(2010 Spring)のリリースが予定から大きく遅れただけでなく、当初のリリース予定日を何日か過ぎても公開に向けたスケジュールがしばらく「未定」のままで更新されない(何らかのアナウンスがない)など、対応の悪さもあったように感じる(当時のユーザフォーラムの書き込みなどにも混乱があった印象がある)。Mageia 1のスケジュールも当初の予定からは遅れているものの、リリースの予定は随時更新されていた。

一部の構成パッケージのバージョン

  • GNOME 2.32 (端末は3.0.0だがGTK+はバージョン2系を使用)
  • KDE 4.6.3
  • Xfce 4.8 (一部パッケージが4.8.1)
  • X server 1.10.1
  • Linux 2.6.38.7
  • LibreOffice 3.3.2.2
  • Firefox 4.0.1
  • Chromium 11.0.696.68
  • Python 2.7.1
  • GTK+ 2.24.4
  • GLib 2.28.6
  • Qt 4.7.3
  • GCC 4.5.2
  • Vala 0.12.0
  • Mono 2.10.1
  • Boo 0.9.3
  • Compiz 0.8.6 / CCSM 0.8.4
  • Emacs 23.2
  • Vim 7.3.154
  • nano 2.3.0

パッケージが少ない?

Mandriva Linuxと比べて、用意されているパッケージの数が少なくなっている印象がある。例えば、MonoDevelop,Python 3,(MandrivaのIa Oraを除いた)追加のGTK+ 2のエンジン(例:Aurora)やそれに基づくテーマなどはない。また、OpenShotのような動画編集ソフトウェアでは「Frei0r」のエフェクトライブラリがないために利用可能なエフェクト数が少なくなっている。
今後は改善される可能性もあるが、このあたりで今回は使用を見送るという場合があるかもしれない。その場合は本家のMandriva Linux 2011を待って試してみるのもいいかもしれない。
(2011/6/3)Frei0rやMonoDevelopなど、幾つかのパッケージについてはパッケージ追加の要望がBugzillaに出ている。

ミラーサーバの選択

ミラーサーバの一覧は
mirrors.mageia.org/
にある。
Mageia 1/2011年6月上旬の時点では国内のミラーサーバはなく、1Gbps回線の台湾のサーバを選択するのが良さそう。

distrib/1/[x86_64もしくはi586]/install/images/boot.isoを用いてネットワークインストールする場合のサーバ選択でも同様。
(2011/7/9)2011年7月上旬の時点では、国内のミラーサーバが出てきている。

OSのインストール

OSインストールの流れはMandriva Linuxと大きな違いはない。インストール後にアンケートが行われない点については変わったと言えるかもしれない。

KDE4上のLibreOfficeの文字化け対策

LibreOfficeのステータスバーなどの一部の日本語が豆腐に文字化けするが、これは「LibreOffice - フォントの種類」で「Droid Sans」を「Umeplus Gothic」などの日本語フォントに置換する設定を追加することで解消される。

メディアの分類

Mandrivaとはメディアの分類が一部変わっており、MandrivaではPLFのリポジトリに入っているようなパッケージもミラーサーバから入手できる。

  • core: 自由なソフトウェアやデータ
  • non-free: 自由でないソフトウェアやデータ
  • tainted: ビルド済みだと特許などに触れる可能性があるもの(自分でソースからビルドすれば問題はない)・自由/自由でないものが混じっている


taintedなメディアはメディアの自動登録時に一緒に追加されるが、手動で有効にしない限りは使われない(使う場合は「Tainted Release」と「Tainted Updates」にチェックを入れる・新しいバージョンが使いたければ「Backports」も)。

有効にすると、パッケージマネージャから「.tainted」付きの「リリース」のパッケージが選択できるようになる。
上記3つにそれぞれ存在する

  • Release(リリース時のバージョン)
  • Updates(不具合修正/アップデート版)
  • Backports(バージョンは新しいが不具合を含む可能性がある)

の分類はMandrivaと同様。