試験運用中なLinux備忘録・旧記事

はてなダイアリーで公開していた2007年5月-2015年3月の記事を保存しています。

GTK+テーマの見栄え確認ツールThe Widget Factoryについて(2011年8月時点)

  1. 概要
  2. GTK+ 2版
  3. GTK+ 3版
  4. 使い方
  5. 関連:LXAppearance(LXDEのテーマ設定ツール)

概要

The Widget Factoryは、1つのウィンドウ内に色々なGUI部品を表示してテーマの見栄えを確認するためのツール。gnome-look.orgなどのテーマ配布サイトのスクリーンショットでもよく用いられている。
元々はGTK+ 2向けのツールだが、GTK+ 3への移植版も存在する。

GTK+ 2版

幾つかのディストリ(Debian/Ubuntu含む)では「thewidgetfactory」パッケージをインストールすることで簡単にインストールすることができるが、将来のバージョンでは(GTK+ 3が主流になることでGTK+ 2版が)利用できなくなる可能性もある。

画像は「Aurora」テーマ。
PyGTKを用いて作成されたPyTWFというバージョンもあり(本家版はC言語で書かれている)、PyTWF.pyを実行する。このバージョンは「thewidgetfactory」パッケージのものとは若干異なる。

ただ、PyGTKについても将来的にはなくなっていく方向にあり、このバージョンもそのまま使うことはできなくなる可能性がある。
もう1つ、gnome-look.orgのスクリーンショットにも使われているバージョンのThe Unofficial Widget Factoryというものもあるが、このバージョンの作者はPyTWFのほうを推奨しているようだ。

GTK+ 3版

(2012/10/6)GTK+のバージョン3.4系以上ではサンプルプログラムgtk3-widget-factoryとしてgtk3-demoとともに(公式のGTK+に)添付されている。ただしディストリによってはパッケージがGTK+のライブラリとは別になっている場合があり、Debian/Ubuntuでは「gtk-3-examples」パッケージに含まれる。
以下は以前の内容だが、パッケージの公開は終了している。

2011年8月時点では、tista氏によるGTK+ 3への移植バージョンが同氏のPPAリポジトリ(ppa:tista/gtk3)で公開されており、GTK+ 3が用いられていることを確認した。

画像は「Adwaita」テーマで、グラデーションのかかったツールバーが印象的。
他にも、別のユーザがlaunchpad.netのbzrリポジトリGTK+ 3版を作成しているものを見つけたが、ビルドエラーとなって動作が確認できなかった(GTK+ 3で廃止されたGUI部品のコードが残っているため?)。

使い方

twfコマンドでプログラムを起動する。デスクトップ環境などのメニュー項目はない(もちろん、デスクトップ環境上に手動でランチャを作ることはできる)。
起動するとウィンドウの中に様々なGUI部品が表示され、「Theme」メニューを開くとテーマの一覧が表示される。その中から1つを選択するとウィンドウ内のテーマが変わる。
このテーマの切り替わりは一時的なもので、現在の環境における選択テーマが変更されるわけではない(見栄えの確認のために切り替わるのみ)。
表示されるGUI部品は見本なので、基本的にはこれを操作して何かを行うということはしない(ボタンを押すなどしても何も起こらない)。機能があるGUI部品は「Move In Harmony」のチェックが入っているときに幾つかのスライダー(GtkHScale,GtkVScale)とプログレスバー(GtkProgressBar)が連動して動くというあたりのみ。

関連:LXAppearance(LXDEのテーマ設定ツール)

軽量デスクトップ環境LXDEのテーマ設定ツールLXAppearanceでは「ウィジェット」タブの右側にプレビューとして幾つかのGUI部品の含まれたウィンドウが表示される。

使用したバージョン:

  • thewidgetfactory 0.2.1
  • PyTWF 1.0.2
  • LXAppearance 0.5.0

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