MATEデスクトップ環境(MATE Desktop Environment)についてのメモ
概要
経緯
GNOMEデスクトップ環境のバージョン2系では- デスクトップ
- パネル
- ファイルマネージャ
- ウィンドウマネージャ
などに従来から親しまれてきた(伝統的な)形*1が用いられていたが、2011年春にバージョンが3になってからはGNOME Shellというデスクトップシェルが導入され、GNOMEのセッションにログインした際の使い方が大きく変化したのと同時にGPUのアクセラレーションが実質必須になった。*2
また、GNOME 2のような古い(長く慣れ親しんだ)形の環境を使い続けたいという人が多数いるということも大きく、自由なソフトウェアとして公開されてきたGNOME 2は、本家のGNOMEとは別のプロジェクトとして
www.mate-desktop.org
にて「MATE*3 Desktop Environment」と名前を変えて開発を継続することになった。
バージョン番号はGNOME 2とは異なり、独自のバージョンの付き方となる。
2014年11月末時点の最新バージョンは1.8で、次はバージョン1.10となる。
デスクトップ環境名の由来
公式サイトによると、「MATE」の名前は「イェルバ・マテ」という木の名前から、とされている。ここからマテ茶というお茶の原料が得られる。今後
といった部分は約束されており、今後変わる予定はない。この従来型の形をそのままに
といった変更が行われる。
GTK+ 3とWayland関係の対応はバージョン1.12系で予定されている(2014年10月下旬時点のロードマップによる)。
標準で利用可能なディストリ
公式サイトによると、2014年11月末時点でディストリのパッケージとして(パッケージマネージャを用いて簡単に)インストール可能なディストリは- Arch
- Debian/Ubuntu
- Linux Mint
- Fedora
- Gentoo
- Sabayon
- Mageia
- PCLinuxOS
- Manjaro
- openSUSE
- PLD Linux
- Point Linux
- Salix
となっており、Ubuntuについては、過去にPPAリポジトリが提供されていたが、14.10(Utopic)からは標準で利用可能となっている。
Debian/Ubuntuではパッケージ名「mate-desktop-environment」で最低限のパッケージがインストールされ、「mate-desktop-environment-extras」を入れると更に幾つかのパッケージが追加インストールされる。
構成アプリケーション
基本的にはGNOME 2の各アプリケーションの名前が変更されたもので構成される。MATEのアプリケーション名 | GNOME 2で相当する元のアプリケーション名 | 説明 |
---|---|---|
Caja | Nautilus | グラフィカルなファイルマネージャ |
Pluma | gedit | シンプルかつ拡張可能なタブ式MDIテキストエディタ |
Eye of MATE | Eye of GNOME | シンプルかつ拡張可能な画像ビューア |
Atril | Evince | PDFなどの形式の複数ページドキュメント向けのビューア |
Engrampa | File Roller | 書庫マネージャ |
MATE 端末 (MATE Terminal) | GNOME 端末 (GNOME Terminal) | VTEライブラリを用いた端末エミュレータ(端末ソフトウェア) |
他にも、MATE上でGNOME 3版のEvinceなどのオリジナルのソフトウェアを別途インストールの上で動かすことはできる(MATEがGTK+ 3に対応するまでは、使用している外観テーマによってはGTK+のバージョン系統の関係で外観が異なることがある)。また、将来、別のMATE版のソフトウェアが同様に廃止されていく可能性もある。