仮想PDFプリンタcups-pdfを使う
「cups-pdf」パッケージは、CUPS印刷システムにおいて、プリンタが無くても、PDFファイルに出力してくれる仮想プリンタドライバ。多くのCUPS対応アプリから、普通のプリンタに印刷するのと同じ要領でファイル出力できる。
インストール
ディストリのパッケージにもなっている(Gentoo Linux, Debian, Ubuntu)ではこの名前のパッケージが用意されているのでインストールは簡単。
(2009/9/22)Mandriva Linuxにはパッケージがないが、公式のダウンロードページからリンクされているソースRPMをビルドしたものをインストールして使用することはできている。
CUPSへの登録手順
http://127.0.0.1:631/
へアクセスし、「プリンタの追加」を選択し、はじめに名前や説明を入力。分かりやすい名前を付けておけばOK。
デバイスは、PDFプリンタの項目が用意されているので、それを選択。
メーカー選択では、このパッケージが提供している/usr/share/cups/model/PostscriptColor.ppdの「Postscript」を選ぶ。
モデルは一択。これで追加のボタンを押すと、登録が完了。紙のサイズや解像度などの設定に入るが、この設定はプリンタオプションの設定で後から変更できる。
出力先の指定
cups-pdfの設定ファイルの中に、出力ディレクトリの指定をする「Out」という項目があるのだが、
[引用]ファイル名: /etc/cups/cups-pdf.conf
## special qualifiers: ## ${HOME} will be expanded to the user's home directory ## ${USER} will be expanded to the user name
とあるように、それぞれ、印刷したユーザのユーザ名と、そのホームディレクトリを含めて指定できる。
デフォルトは/var/spool/cups-pdf/${USER}となっている*1が、不便な場所なので、
- Out ${HOME}/cups-pdf
- Out ${HOME}/pdf
- Out /tmp/pdf-${USER}
- Out /tmp/
など、好みに応じて、アクセスしやすい場所に変更しておくとよい。もちろん、デフォルトの/var/spool/cups-pdf/${USER}に対してシンボリックリンクを作成するのもあり。
*1:ディストリによっては便利な場所に設定済みだったりする