QEMU/KVM 60を試す(AMD-V使用)/QEMU上のvmmouseとVMware SVGA IIについて(Linuxゲスト)
QEMU/KVMの動作は良好
以前試したときよりもバージョンがずいぶん上がったが、使ってみると、Linux 2.6.23上で動作するQEMU/KVMとしては動作が良好で、ネットワーク不具合も起こらずにうまく動いているようだ。x86_64版Debian lennyを(20080116版の)ネットワークインストールCD(debian-testing-amd64-netinst.iso)でインストールしたが、パッケージダウンロード中にネットワークが切れたりもしていない。また、最近のQEMU/KVMは、ゲストOS起動時にホストOSを固まらせるようなことも起こっていない。気になるのは、端末に
kvm: get_dirty_pages returned -2
を延々と表示していることだが、動作に問題はなさそうに見える。
(2008/1/29)Linux 2.6.24(モジュールはカーネル付属ではなく、KVMパッケージに含まれるものを使用)で全体を再ビルドしたものも良好な動作。上のメッセージも出ていない。QEMU/KVMが安定してきていることを実感する。
LinuxゲストにおけるvmmouseとVMware SVGA IIについて
QEMU 0.9.1の時点ではVMwareのマウス(vmmouse)とディスプレイ(VMware SVGA II)がサポートされているが、バージョン60の時点のQEMU/KVMでも同様に、これらがサポートされているようだ。vmmouse
ドライバ(Debian/Ubuntuでは「xserver-xorg-input-vmmouse」)がインストールされている状態で、ゲストOSの/etc/X11/xorg.confでSection "InputDevice" Identifier "[マウスの識別名]" Driver "vmmouse" Option "CorePointer" Option "Device" "/dev/input/mice" Option "Protocol" "ExplorerPS/2" Option "ZAxisMapping" "4 5" EndSection
上のようにしてマウスの設定で「vmmouse」を指定すると、X Window System使用時に(追加ツールを使用したりすることなく)左Ctrl+左Altを押さずにマウスが出入りさせられるようになった。ホイールも使える。マウスの識別名は「ServerLayout」セクションのものと合っている必要がある(ほとんどの場合は自動で指定済み)。
VMware SVGA II
起動オプションに-vmwarevgaを付けることで使えるのだが、Debian lenny*1で試したところ、Xの起動時にエラーとなってダメだった。以下、/var/log/Xorg.0.logの一部。「(--)」の部分は検出による記録。ハードウェア情報が一部不正になっている感じに見える。
(--) VMWARE(0): VMware SVGA regs at (0x4560, 0x4561) (II) Loading sub module "vgahw" (II) LoadModule: "vgahw" (II) Loading /usr/lib/xorg/modules/libvgahw.so (II) Module vgahw: vendor="X.Org Foundation" compiled for 7.1.1, module version = 0.1.0 ABI class: X.Org Video Driver, version 1.0 (--) VMWARE(0): caps: 0x000000E3 (--) VMWARE(0): depth: 0 (--) VMWARE(0): bpp: 0 (--) VMWARE(0): vram: 8323072 (--) VMWARE(0): pbase: 0xe0000000 (--) VMWARE(0): mwidt: 2360 (--) VMWARE(0): mheig: 1770 (EE) VMWARE(0): Adapter is using an unsupported depth (0). (II) UnloadModule: "vmware" (II) UnloadModule: "vgahw" (II) Unloading /usr/lib/xorg/modules/libvgahw.so (EE) Screen(s) found, but none have a usable configuration.
この件に関しては、QEMU 0.9.1でも同様に起こるため、QEMU側の問題と思われる。まだサポート自体追加されたばかりなので、今後に期待。
現時点では、標準の仮想グラフィックボードを(「cirrus」ドライバではなく)「vesa」ドライバで使用するのが一番軽い気がする。
使用したバージョン(Debian lenny上):