Wine 1.2-rc1以上のフォントのサブピクセルレンダリングの設定について
2010年5月末からWineのバージョンが1.2系(安定版)のリリース候補段階となっているが、バージョン1.2-rc1からアンチエイリアシングのサブピクセルレンダリングの設定にGNU/Linuxのデスクトップにおけるフォントのアンチエイリアシング設定を用いるようになった(サブピクセルレンダリングを有効にするためにレジストリ設定を行う必要はなくなった)。具体例には[ホームディレクトリ]/.fonts.confの内容を自動的に読み込んでWine上のアンチエイリアシングの設定として用いるようになっている。この設定はほとんどのデスクトップ環境においてGUI設定ツールで変更することもできる。
ただ、これまでと同様、初期状態のWine環境ではユーザインターフェースのフォントがおかしい場合もあるため
http://kakurasan.ehoh.net/summary/ui.font.wine.html
の要領で適切なフォントが用いられるようにしておく必要はある。
(2014/10/13)Fontconfigの設定ファイルの場所はその後まとめドキュメント(モバイル版ページ)の場所に変わっている。
1.2-rc1のフォント描画には不具合あり/1.2-rc2では改善
バージョン1.2rc1ではフォントのアンチエイリアシングはされるものの、非常に文字が細く見づらくなっている。この問題はバージョン1.2-rc2では修正されている。アンチエイリアシングを無効にするには?
これまで通り、レジストリ項目「HKEY_CURRENT_USER\Software\Wine\X11 Driver\ClientSideAntiAliasWithRender」を「N」にすることでアンチエイリアシングを無効にすることはできる(見栄えは悪くなる)。一方、winetricks(関連記事)の「fontsmooth-」系パッケージによる設定の変更は動作していないようだ。
また、埋め込みビットマップを持ったフォントの一部サイズについてはこれまで通りにアンチエイリアシングされずに表示されている。
サブピクセル順の設定について
サブピクセルの並びはデスクトップ環境の設定ツールで設定したものが用いられ、Wine上のフォントにも適用される。サブピクセルの並びを指定するためにレジストリを変更する必要はなくなった。また、サブピクセル順の設定は以下の方法により変更することもできる。
まとめドキュメント:
使用したバージョン:
- Wine 1.2-rc1, 1.2-rc2