試験運用中なLinux備忘録・旧記事

はてなダイアリーで公開していた2007年5月-2015年3月の記事を保存しています。

GNU/LinuxにおけるGoogle Chrome/Chromiumにおけるマウスジェスチャに関するその後(2011年7月上旬時点)

これまでの状況についてのおさらい

問題点

これまで、GNU/Linux版のGoogle Chrome/Chromiumでは、本体の問題により、マウスジェスチャの機能を提供する拡張が幾つか存在していたものの、コンテキストメニューとジェスチャの区別がうまく処理できずに、拡張が使い物にならない状態だった(Mac OS Xでも同様らしい)。また、Google Chrome/Chromiumのセキュリティ関係と思われる仕様により、一部の特殊なページなどにおいては拡張が動かずにジェスチャが行えないという問題もある。

暫定的な対処

GNU/Linuxにはeasystrokeというマウスジェスチャツールがあり、アプリケーションごとにジェスチャとそれに対応する操作(キーボード入力など)の割り当てを設定することであらゆるアプリケーションでマウスジェスチャが行え、Google Chrome/Chromium固有のジェスチャ設定を行うことで上記の問題の大部分は解決するが、ブラウザ内でキーボード操作によって行える操作でなければそれをジェスチャで行えるようにすることはできず、「左のタブを閉じる」「右のタブを閉じる」などのブラウザ内操作は、別途「Shortcut Manager」のような拡張を用いて先にキーボードとブラウザ内操作を関連付け、その上でeasystrokeのジェスチャの設定をするという必要があった。その場合でも、一部の特殊なページなどにおいては拡張が動かないため、キーボードに割り当てた操作が動かない。

Smooth Gesturesの拡張でマウスジェスチャが動作?

以前にも試した「Smooth Gestures」拡張に改善が加えられ、GNU/Linux(やMac OS X)でもジェスチャ動作とコンテキストメニュー表示との区別ができるようになっていることが分かった。ただしこれは別のプラグイン(「Smooth Gestures」本体とは別の拡張)を追加でインストールすることで可能となる。
「Smooth Gestures」拡張のインストール後にコンテキストメニューを表示するとプラグインのインストールを行うためのダイアログが表示されるため、「Install the Plugin」を押して「SmoothGestures: Plugin」拡張のインストールを別途行う。

もしくは、「Double-click for the Context Menu」をクリックして、プラグインをインストールする代わりにマウス右ボタンのダブルクリックでコンテキストメニューを表示するように設定することもできる。この場合、拡張の設定で「リンク上では強制的にコンテキストメニューを表示する」を「On」にすると、リンクに対するコンテキストメニューではダブルクリックを行う必要はなくなる。ただ、リンクの多いページでは意図しない場所でコンテキストメニューが開いてしまうこともあり、使い勝手が良いとは言えない。
(2012/5/1)その後、この拡張はスパイウェアであることが判明し、拡張を配布するChrome ウェブストアからも削除されていることが分かった(sirase氏に感謝)。

本体の仕様が最後の問題点

プラグインを追加することでGNU/Linux上でもマウスジェスチャが正常に行えるようにはなったものの、残念ながら、一部の特別なページにおいてジェスチャが動作しないのは変わらない。これは先述の通りGoogle Chrome/Chromium側の仕様なので、どうしようもない。最終的にはこの関係でeasystrokeを用いた方法に戻すこととなったが、easystrokeを用いても、先述のように「Shortcut Manager」のような拡張を用いて割り当てなければ使えないブラウザ内操作(例:左のタブを閉じる)は一部の特殊なページでは動かないという問題があり、いずれの方法をとったとしても、Google Chrome/Chromiumを使用している以上はマウスジェスチャについてはどこかで妥協しなくてはならない。

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