試験運用中なLinux備忘録・旧記事

はてなダイアリーで公開していた2007年5月-2015年3月の記事を保存しています。

Xara XtremeとQEMU/KVMをOverlayでインストール

laymanで追加できるOverlayから、有用な2つのソフトウェアをインストールできることが分かった。

  1. Xara Xtreme
  2. QEMU/KVM(動作失敗報告を兼ねて)

Xara Xtreme

自分には全然使いこなせていないのだが、Windows版は商用のパッケージになっているほどの非常に高機能なベクトルグラフィックソフトウェアとして、Xara Xtremeというアプリケーションがある。GNU/Linux版は、なんとオープンソースで公開されている。
このebuildがあるのは、豊富な追加パッケージのある「sunrise」というOverlay。パッケージ数が多いため、Overlay全体をPORTDIR_OVERLAYに追加するよりも、ローカルOverlayにXara Xtremeのみを追加する形のほうがよさそう。
x86_64でのビルドと動作は確認済みなのだが、「KEYWORDS="~x86"」となっているため、この部分を書き換えるか、/etc/portage/package.keywordsに「media-gfx/xaralx ~x86」のように書くかのいずれかを行う。
バージョンについては、安定版の最新バージョンが使用できるため、古いという心配はない。
下はインストール例。

$ sudo layman -a sunrise
$ sudo mkdir /usr/local/overlays/local/media-gfx  (存在しない場合のみ作成)
$ sudo ln -s /usr/local/overlays/layman/sunrise/media-gfx/xaralx/ /usr/local/overlays/local/media-gfx/
$ sudo emerge -av xaralx

ビルドにはかなりのディスク領域を使用するが、1.5GiB以上のディスク領域があれば十分。*1
「Completed installing xaralx-0.7_p1692-r1 into...」が出た時点での使用ディスク領域(duコマンドの結果)は、「1.3G」だった。普段Portageの一時ディレクトリにtmpfsを使用している場合、これよりもメモリが少なければ、下のような形で、一時的にハードディスク上のディレクトリを使用するようにしておくか

$ sudo mount --bind [十分な空きのあるディレクトリ] /var/tmp/portage
(インストール作業を行う)
$ sudo umount /var/tmp/portage

あるいは、${PORTAGE_TMPDIR}を一時的に変更しておく。
それにしても、サンプル作品(Designs/*.xar)の完成度の高さには圧倒される。ちなみに、これらは、クリエイティブ・コモンズの「Attribution-NonCommercial-NoDerivs 2.5」ライセンスのもとで使用できる。詳しくはDesigns/LICENSEを参照。

なお、Ubuntuでは「xaralx」というパッケージで簡単にインストールできる。Debianでは、2007年10月現在、sidのみに用意されている。それ以外の場合、公式サイトのビルド済み実行ファイル(x86向けのみ。Autopackageインストーラ*2版とtar.bz2圧倒されたものとがある)をダウンロードするか、ソースをダウンロードして手動でビルドする。

QEMU/KVM(動作失敗報告を兼ねて)

(2008/7/15)QEMU/KVMは2008年7月から公式のPortageツリーに入ったため、Overlayを使用する必要はなくなっている。


「philantrop」という名前のOverlayに入っている。最新バージョンが早めに入ってくるのはよいのだが、古くて安定していたバージョンのebuildが消えてしまうのも早い。残念ながら、43から45あたりのバージョンは、(AMD-Vでは?)以前、バージョン35を試したときに書いたような、「QEMUKVMサポート付きで実行すると、CPU使用率が100%に張り付いて、ウィンドウも出ない + そのQEMUのプロセスをkillできない(-KILLを付けても同様)」という状態になり、動作している状態を拝むことはできなかったので、バージョン33に戻した。
注意点として、QEMUと共存できないことがあるのだが、「app-emulation/qemu」をアンインストールしても、現状のebuildでは、QEMU/KVMとファイルが被ってしまう「app-emulation/qemu-softmmu」のパッケージが残っていても、KVMのインストールがブロックされないため、もしsoftmmuのほうが残っている場合、忘れずに削除しておく。

$ sudo layman -a philantrop
$ sudo mkdir /usr/local/overlays/local/app-emulation  (存在しない場合のみ作成)
$ sudo ln -s /usr/local/overlays/layman/philantrop/app-emulation/kvm/ /usr/local/overlays/local/app-emulation/

*1:これよりも、wxGTK(少なくとも2.3GiBは使用)のほうが領域を食っていた

*2:Windowsアプリのインストーラのように、簡単な手順でインストールできる