試験運用中なLinux備忘録・旧記事

はてなダイアリーで公開していた2007年5月-2015年3月の記事を保存しています。

wimeにATOK2008体験版を入れて動作するかどうかを確認する(準備とIMEインストール)

ここでは、wimeでATOK2008の体験版*1を使用して、その動作を確認するテストを行う。今回は準備からIMEインストールまで。
作業は、あらかじめwimeがインストールされた状態で行う。

  1. Wine環境(WINEPREFIX)の準備
  2. ATOK2008体験版のインストール

Wine環境(WINEPREFIX)の準備

wimeWine環境上にインストールするため、その環境(環境変数WINEPREFIXで指定される)が必要。
標準のWINEPREFIXはホームディレクトリ直下の.wineというディレクトリになるが、「アプリケーションごとにWine環境を用意する方法と、デスクトップ環境のメニューへの登録について(継続して使用したいWinアプリ向け)」のように、アプリケーションごとに異なる環境を使い分ける要領で、wime用の環境を作成してその中にインストールすることもできる。
標準以外の場所のWine環境にIMEをインストールした場合はwimeの起動時に環境変数WINEPREFIXをその場所に指定する必要があるが、IMEをインストールしたWine環境と別のWine環境上のWindowsアプリケーションの日本語入力に使うことはもちろん可能。*2
今回は、[ホームディレクトリ]/.wine-wimeというディレクトリにATOK2008の体験版をインストールすることにする。
まずは、必要に応じてWine環境の初期設定を行う(winecfgを使用したりレジストリファイルの取り込みをしたりする)。
wimeのソースに付属したレジストリファイルの取り込みは必須で、体験版の場合はatok-taiken.regを使用する。

(好みに応じてGUI設定ツールを実行)
$ WINEPREFIX=~/.wine-wime winecfg
(体験版用レジストリファイル(+好みにより別のファイル)を取り込む)
$ WINEPREFIX=~/.wine-wime regedit [atok-taiken.regの場所] [他のレジストリファイル...]

なお、今回は環境変数WINEPREFIXをexportしない書き方で書いているが、深い理由はない。

ATOK2008体験版のインストール

ダウンロードしたのは以下のファイル。
ファイル情報: at21try.exe
項目
ファイルサイズ67,431,304バイト
MD56d8aacd6c8526beeade2c882537bc403
SHA-1a49834495c35aaad3cc4dd4709da068e9604ba89
これを

$ WINEPREFIX=~/.wine-wime wine [at21try.exeの場所]

のようにWineで実行すると、指定したディレクトリにファイルが展開されつつ自動実行アプリケーションが起動するのだが、そのままインストーラを実行しようとすると「セットアップファイルが不正です。」のエラーが出てうまくいかなかった。
しかし、Windowsインストーラの.msiファイルを直接msiexecでインストールすることはできた。

$ WINEPREFIX=~/.wine-wime msiexec /i [展開したディレクトリ]/at21try/ATOK/ATOK21.msi

なお、実行ファイルを直接実行する代わりに、unzipで展開することもできるようだ。シェルに値1が返るが、展開は正常に行われた。

$ unzip [at21try.exeの場所]
Archive:  [at21try.exeの場所]
warning [[at21try.exeの場所]]:  41074 extra bytes at beginning or within zipfile
  (attempting to process anyway)
  inflating: at21try/APAT21T.DLL
   creating: at21try/ATDIRECT/
  inflating: at21try/ATDIRECT/ATOK_PLUGIN_MESSAGE.DLL
   creating: at21try/ATDIRECT/HWS_DATA/
  inflating: at21try/ATDIRECT/HWS_DATA/ATOK_PLUGIN_HWS.DLL
  inflating: at21try/ATDIRECT/LICENSE.TXT
  inflating: at21try/ATDIRECT/SETUP.EXE
  inflating: at21try/ATDIRECT/SETUPINFO.XML
   creating: at21try/ATOK/
  inflating: at21try/ATOK/ATOK21.msi
  inflating: at21try/ATOK/ATOK21x64.msi
  inflating: at21try/ATOK/Data1.cab
  inflating: at21try/ATOK/setup.exe
  inflating: at21try/ATOK/WindowsInstaller-KB893803-v2-x86.exe
  inflating: at21try/AUTOPLAY.EXE
  inflating: at21try/AUTORUN.INF
$ echo $?
1

この場合、展開したディレクトリにat21tryディレクトリが作成される形となる。
インストーラ起動後は、特に注意する点はない。

使用したバージョン:

  • Wine 1.0
  • wime 1.8.0
  • ATOK 2008体験版

*1:バージョン2008は、2009/3/31を過ぎると、試用期間内でも日本語入力ができなくなるらしい

*2:このときも、XIMでCannaとして使用することになる