試験運用中なLinux備忘録・旧記事

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Wine上のfoobar2000の覚え書き(2008/12/15現在)

Wine上のfoobar2000については以前何度か扱っているが、foobar2000のバージョンが0.9.6になっているため、それに関連した内容を主に扱う。

Standard installationとPortable installation

バージョン0.9.6のfoobar2000には以下の2種類のインストール方式がある。

  • Standard installation: Windowsの管理者権限で全てのユーザ向けにWindowsのプログラムフォルダなどへインストールし、ファイルの種類の関連付けのレジストリ変更も行う
  • Portable installation: Windows上の一般ユーザが自分用に自分の書き込み権限のある場所へインストールし、レジストリ変更は行わない

Wineで使用する場合はPortable installationが便利そう。インストール先の既定値がC:\windows\profiles\[ユーザ名]\Desktop\foobar2000になっているため、好みによって移動するとよい。「アプリケーションごとにWine環境を用意する方法と、デスクトップ環境のメニューへの登録について(継続して使用したいWinアプリ向け)」のように専用のWine環境(WINEPREFIX)を作っている場合は、分かりやすい場所としてC:\Program Files\foobar2000などに変更してもOK。

メディアライブラリフォルダの監視

バージョン0.9.6からメディアライブラリのフォルダが監視可能になった。
メニューの「Library - Configure」あるいは設定ダイアログを開いてから「Media Library」を選択後、右に出ている「Music Folders」の一覧にディレクトリを追加すると、その階層以下のオーディオデータがデータベースに登録され、ユーザインターフェース上のアルバムリスト(「Album List」という部品)にツリー表示される。
どの情報をもとに表示をするかは「View」の一覧から選べ(検索で絞り込むことも可能)、選択されたグループはプレイリスト(Library Viewer Selection)として再生される。
バージョン0.9.6のリリースノートには、Wine上では監視対象フォルダ内の変更が再起動しないと反映されないとあるが、Wineのバージョン1.1.10の時点では、中のファイルを一時的に他の場所(監視対象フォルダの外)へ移動して戻した実験をした限りでは、正常に変更は反映(リアルタイムで一覧に追加もしくは削除)されているようだ。ただし、ファイル名の一部や拡張子を変更した場合は、変更の反映にfoobar2000の再起動あるいは監視フォルダ指定解除後の再登録を行う必要があった。
関連URL:

Built-in Matroska supportとTTA(The True Audio)

バージョン0.9.6からMatroskaコンテナが標準対応になり、FLAC入りの.mkaファイルなどは正常に再生されるのだが、TTA入りのものはダメだった。
http://www.matroska.org/tta/
sample_44_2_16_TTA.mkaは、TTAサポートコンポーネント(foo_input_tta.dll)が入っていても

Unable to open item for playback (Unsupported format or corrupted file):
"[sample_44_2_16_TTA.mkaの場所]"

となり再生できず、「Wine上のfoobar2000の覚え書き(2008/7/12現在)」のときと同様、ファイル名を変えてcomponentsディレクトリにfoo_input_matroska.dllをコピーすることで再生できた。
(2010/9/4)バージョン1.1の時点では問題はないようでfoo_input_matroska.dllは不要(あると起動時にダイアログが出て邪魔になるだけ)。

イコライザのその後

バージョン0.9.6になっても、イコライザは正常に表示されていない。バージョン0.9.4のものは以前通り動作している。
(2009/2/3)Wineバージョン1.1.14とfoobar2000バージョン0.9.6.2ではWINEDEBUG=+gdiの指定時にのみ表示されている。
(2009/3/21)Bugzillaのコメントによると、設定ダイアログからDSP Managerの設定を開いて「Equalizer」の設定を上のボタンから行うと表示されるとのことなので試したところ、ここから開くと確かにイコライザが表示されることが確認できた。設定ダイアログが閉じられないのが難点ではあるが、メインウィンドウは操作できるので、設定ダイアログを別の仮想画面(ワークスペース/ビューポート)に飛ばしてしまえば気にならない?

ドラッグ・アンド・ドロップによる曲の追加

(2010/9/4)Wineのバージョン1.3.1からドラッグ・アンド・ドロップに関する改善がされ、GUIファイルマネージャからWine上のfoobar2000へのファイルのドラッグ・アンド・ドロップができるようになった(foobar2000のバージョンは1.1で確認)。日本語を含んだファイル名でも問題はない。
バージョン1.3.0でも試したが動作はしなかった。1.3.1以上のバージョンならOK。

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使用したバージョン: