試験運用中なLinux備忘録・旧記事

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openBVEに関する追加メモ(アドオン関係と.NET 4版関係・バージョン1.4系時点)

バージョン1.4以上のopenBVEのアドオン管理について(バージョン1.4系時点)

openBVEでは、バージョン1.4系(開発版では1.3.2)からアドオン管理機能が利用できるようになっている。
この機能は、openBVEで利用可能な追加の機能やデータをアプリケーション内で管理(追加/削除やデータの利用)できるようにしたものとなる。

アドオン管理機能の利用

メインウィンドウの「アドオン入手」を選択するとopenBVEのサイト(trainsimframework.org)のサーバから利用可能なアドオンの情報を取得後、ウィンドウ上部に利用可能なアドオンが一覧表示される。文字列もしくは種類(後述)で表示を絞り込む(フィルター)こともできる。
一覧は階層(ツリー)構造になっており、最上位の階層は「国」で分かれている。ただ、「チャシナイ鉄道(Chashinai Railway)」のような(日本風の)架空路線や他の幾つかのデモ路線(従来の公式デモ路線「Animated Object Demonstration Route (DemoRoute1)」も含む)が日本のものとして分類されていたりもしている。
ユーザは利用可能なアドオン一覧の中からインストールしたい項目を選択後「インストール」ボタンを押すだけで、そのアドオンをインストールすることができる(確認ダイアログは出る)。
インストール済みの項目を一覧から選択すると「削除」ボタンが押せるようになっており、これを押すことでアンインストールをすることができる。
パッケージが選択されている状態では詳細情報が一覧の下に表示され、ものによっては画像も表示される(複数枚の場合は「前」「次」のボタンで切り替え可)。

アドオンの種類

アドオンは幾つかの種類に分けられており、種類ごとに一覧への表示/非表示の状態がチェックボックスで切り替え可能。

  • 路線
  • 車両
  • ライブラリ: 路線データに使われる各種データなど
  • 共有ライブラリ: 独自の追加機能を提供するプラグインなど

アドオンの路線/車両の利用

従来の(ディスク上の場所を直接たどって指定していた)路線や車両データはこれまで通り「新しく始める」の「一覧」タブから指定することができるが、この左に「アドオン」というタブが追加され、インストール済みのアドオンがツリー構造で一覧表示される。ここから使用したい項目(路線/車両)を選択して「スタート」を押して開始すると、そのデータが利用できる。

アドオンのデータの保存先

ダウンロードされたデータは「バージョン1.2.12系以上のopenBVEのユーザごとのデータ保存ディレクトリについてとシミュレータ開始後に正常にメインウィンドウに戻らない場合の対処(後半)」で扱ったfilesystem.cfgの中の「ManagedContent」の項目のディレクトリの下に保存される。特に(環境変数XDG_CONFIG_HOMEやfilesystem.cfgの)設定をしていないと[ホームディレクトリ]/.config/openBVE/ManagedContent/以下が使用され、データが増えていくと/home/以下のディスク容量を圧迫する原因になることが考えられる。
下はアドオンのデータ保存先を[OpenBve.exeのあるディレクトリ]/UserData/ManagedContent/以下に変更する場合の設定例(ついでにRestartProcessが「mono」では動作しなくなっていたので絶対パスに変更)。

ファイル名: [OpenBve.exeのあるディレクトリ]/UserData/Settings/filesystem.cfg

Data = $[AssemblyFolder]/Data
ManagedContent = $[AssemblyFolder]/UserData/ManagedContent
Settings = $[ApplicationData]/openBVE/Settings
InitialRoute = $[ApplicationData]/openBVE/LegacyContent/Railway/Route
InitialTrain = $[ApplicationData]/openBVE/LegacyContent/Train
RestartProcess = /usr/bin/mono
RestartArguments = $[AssemblyFile]
アドオンのライセンスと決まりごと

アドオンのライセンスはアドオンごとに異なり、上の「ManagedContent」のディレクトリの下にあるアドオンごとのディレクトリの下にあるLICENSEというテキストファイルに記述する決まりになっている。
アドオンにはその提供上の都合によって他にも

  • アドオンを作成した作者本人でないとアドオンとして公開(アップロード)することはできない
  • アドオンは、最低限それを同じ状態で複製(コピー)することを将来にわたってユーザに許可しなければならない(許可の取り消しは不可)
  • アドオンのファイルは、それを自由に(HTTPのクライアントやヘッダ,アクセス元のエリアなど)いかなる形の制限もなく、(ダウンロードまでの間にページの遷移や待ち時間がなく)直接のダウンロードが可能なサーバを別途自分で用意してそこに配置しなければならない
  • アドオンのデータは、路線[2つ以上の駅]や車両[1両以上のデータ]としての最低限の機能を持ったものでなければならず、OS依存のデータ(例:Windowsのみ対応のプラグイン)は使えない

など、幾つかの決まりがあるようだ。

.NET 4版と.NET 2版

公式サイトのバイナリ(Mono/.NETアセンブリ)はこれまで.NET 2向けにビルドされたものだったが、ここにきて.NET 4向けに切り替わっている(しばらくは.NET 2版も平行して提供される)。この切り替えの目的は動作速度の改善で、路線によってはフレームレートがそれなりに向上する場合がある、とされる。ただ、手元の環境(Ubuntu 11.10)では(垂直同期を無効にしても).NET 2版と比べて大きな変化は確認できなかった(動作速度を改善するには解像度(幅/高さ)を小さめのサイズにしたり「可視距離」をできるだけ短めにしたりするのが手っ取り早い気がする)。
Monoでこの.NET 4向けのバイナリを動かすには、バージョンが2.8系以上である必要がある。

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関連URL:

使用したバージョン:

  • openBVE 1.4.0.9
  • Mono 2.10.5