試験運用中なLinux備忘録・旧記事

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uim-anthyのかな入力とWine上の日本語入力(2008/8/6現在)

  1. uim-anthyのかな入力がついに完全なものに
  2. Wine上の動作・SCIM-Anthyとの比較

uim-anthyのかな入力がついに完全なものに

uimのバージョン1.5.1までは、uim-anthyにおいて、XIMとして使用時にキーが「ろ」になってしまう問題があったため、かな入力が不完全だったのだが、バージョン1.5.2で試したところ、XIMで使用していても「ー」が出るようになり、SCIM-Anthyと同様にかな入力ができるようになった。これは大変嬉しい。

Wine上の動作・SCIM-Anthyとの比較

以前、SCIM-Anthyを使用して確認しているが、Wine上の日本語入力に関するレジストリ設定については、Wineのバージョン1.1.2の時点でもそのときと基本的に同様に振る舞う。
ただし、「"InputStyle"="onthespot"」指定時(もしくはInputStyle指定なし)の「確定しても消えてしまう」という現象については多少改善されていて、SCIM-Anthyでも起こりにくくはなっている(当時と比べると両方バージョンが上がっているため、WineSCIMのどちらの改善かは不明)。
uimuim-ximでXIMとして使用(uim-anthy)したときにはどうなるかを試したところ、SCIM-Anthyのときにはたまに起こるこの現象が起こらないようだ。
ここで、改めてInputStyleについてをまとめておく。

  • レジストリキー(フォルダ)「HKEY_CURRENT_USER\Software\Wine\X11 Driver」の中に「InputStyle」という文字列型データを作成すると、その値によってXIMの入力スタイルを変更でき、Wineのバージョン0.9.40からは「指定なし」と「root(offthespotでも同様)」の2通りのモードからの選択となる
  • 指定なし(既定)の場合、文字の入力場所にそのまま下線の付いた文字列が描画される形になるが、SCIMでは、たまに「変換を確定してもその部分が消えてしまう」ことがあり(「"InputStyle"="root"」指定で回避)、uimではそのようなことは起こらない
  • 「"InputStyle"="root"」を指定すると、(SCIMでもuimでも)ウィンドウの外側に入力欄が出る形になるが、選択されている文節が反転されるため、指定なしにするよりも文節切り直しは見やすいかもしれない

下はInputStyle指定なしの画像。反転されていないため、どこまでが文節かは見づらい*1が、入力場所に直接表示できる。

(上が文節切り直し前、下が後)

下は「"InputStyle"="root"」指定時の画像。反転はされるが、入力文字列は離れたところで表示される。

(上が文節切り直し前、下が後)

どちらを選択するかは好みだが、InputStyle指定なしによる表示+かな入力で安定して使えるようになったことで、Wine上の日本語入力は、かなり快適になった気がする。あとは(手動で対処はできるものの)確定時の24バイト(8文字)問題がどうなるか...

使用したバージョン:

  • Wine 1.1.2
  • uim 1.5.2

*1:左右の矢印キーで隣の文節に移動することは可能なので、確認の1つの方法として使うことはできる