試験運用中なLinux備忘録・旧記事

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AMD(ATI) RadeonのCatalyst(fglrx)ドライバに関するメモ(バージョン10.4現在)

  1. GNU/LinuxのX Window Systemで用いるRadeon向けのグラフィックドライバについて
  2. Catalystドライバ向け設定ツールについて
    1. 起動
    2. 各種情報
    3. 色などの調整
    4. 3D(OpenGL)の調整
    5. ドライバによる縦横比固定
    6. 関連:nvidiaドライバの縦横比固定
    7. その他

GNU/LinuxX Window Systemで用いるRadeon向けのグラフィックドライバについて

ATI RadeonGPUを用いたグラフィックカード(オンボード含む)をGNU/Linuxで用いる場合、ドライバについては主に

の2種類の選択があり、自由なソフトウェアのドライバはCompizのようなOpenGL使用ウィンドウマネージャであれば快適に動作はするが出せる性能は低めで、Catalyst(fglrx)は性能がこれよりも高く、独自の設定ツールで色々な設定も行えるがオープンではなく、対応アーキテクチャx86_32とx86_64に限られる。
どちらも多くのディストリではパッケージになっており、前者は「radeon(hd)」と「driver」,後者は「fglrx」と「driver」のような名前を含んだパッケージを探すと見付かる。

Catalystドライバ向け設定ツールについて

ここでは後者のCatalystドライバ使用時にのみ利用可能な設定ツールについてを扱う。ドライバがパッケージになっているディストリではパッケージになっており、ドライバと一緒にインストールされるか「fglrx-control(Debian)」「fglrx-amdcccle(Ubuntu)」「fglrx-control-center(Mandriva)」のような名前のパッケージを別途インストールすることで利用可能となる。
ユーザインターフェースは日本語で表示可能となっているのがありがたい。

起動
AMD Catalyst Control Center Linux Edition(amdcccle:一般ユーザ版,amdccclesu:管理者版)という設定ツールが用意されており、各種設定がGUI上で行える。デスクトップ環境のメニュー項目にも「AMD Catalyst Control Center」というものが追加される(管理者モード起動用の項目もある)。
一般ユーザ版のamdcccleでは「ディスプレイ マネージャー」(解像度やリフレッシュレート,回転などの設定)が設定できないが、管理者版のamdccclesuを起動後に管理者として認証すると設定できる。デジタル接続時の「デジタル モニター」の設定については一般ユーザでも変更できる。

各種情報
「情報」のページを選択すると

このように各種情報が表示される。画像は785Gチップセットのグラフィック機能であるRadeon HD 4200のもので、メモリについては手元の環境ではAM2+マザーボード上でPC2-5300(DDR2-667)のメモリを用いている*1ため、「DDR2」の「333MHz」となっている。

色などの調整
「色」のページを選択すると

といった項目が設定できる。nvidiaドライバのnvidia-settingsと同様、細かい値を入力して微調整することもできる。
ここの設定内容は即時に反映されるが、次回起動時には一般ユーザのログインよりも後ではなく、グラフィカルログイン画面(ディスプレイマネージャ)つまりXサーバの起動時から有効となる。
ガンマの値はnvidiaドライバと同様、チャンネル(赤/緑/青)ごとに設定ができる。「NVIDIA製GPU/ドライバ使用時の設定ツールと明るさ/コントラスト/ガンマ調整について」でも書いたが、ガンマ調整用の画像を見ながらいじるとよい。

3D(OpenGL)の調整
OpenGLアンチエイリアスや異方性フィルタリングなどのアプリケーションごとの設定よりも優先した設定が行える。

ドライバによる縦横比固定
モニタの縦横比と解像度が合わないとき(例:「5:4」のディスプレイで1024x768の解像度を表示)に、モニタによっては画面が引き伸ばされて全体に表示されてしまうことがある。そういったときに、グラフィックカードの出力とモニタをデジタル接続している場合にグラフィックドライバの機能で空白を作って縦横比を合わせることができる。以下はそのための設定。

  • 「ディスプレイ マネージャー - デジタル モニター」の「調整」タブで「スケーリングにグラフィック プロセッサを使用」を選択
  • 「グラフィック プロセッサ スケーリング」を「縦横比の保持」にする

関連:nvidiaドライバの縦横比固定
nvidiaドライバでも同様にnvidia-settingsGPUによる縦横比固定が可能で、本備忘録にはまだ書いていなかったが、以前GeForce 7300 LEをnvidiaドライバで用いていた際にはモニタの設定で「Force Full GPU Scaling」をチェックしてスケール方式を「Aspect Ratio Scaled」にすることで縦横比を合わせることができていた。この設定項目のスクリーンショットは撮っていなかったが
www.avsforum.com/avs-vb/showthread.php?p=19017009
などにある。

その他
この他、複数のディスプレイなどに関連した設定もあるが、動作は確認していない。

使用したバージョン:

*1:実際にはPC2-5300とPC2-6400を混ぜて下位互換で動かしており、遅いほうに合わせられている