試験運用中なLinux備忘録・旧記事

はてなダイアリーで公開していた2007年5月-2015年3月の記事を保存しています。

FontForgeでTrueTypeフォントの埋め込みビットマップ(EBDT)を取り除く手順

TrueTypeフォントには、サイズごとにビットマップを内蔵することができるのだが、これを使用したくない場合、FontForgeを使用してフォントを編集することで、簡単に取り除くことができる。
FontForgeのユーザインターフェースはXツールキットでやや独自なので、スクリーンショットを多めにした。
以下、「IPA モナー UIゴシック」(ipagui-mona.ttf)を例として使用している。

読み込み

引数にipagui-mona.ttfの場所を指定して開く。
その際に、埋め込みビットマップを読み込むかどうかを指定できるので、読み込まないように「いいえ」を選択する。

フォント名を部分的に変更

メニューを「エレメント - フォント情報」とたどると、フォントに関する情報を編集できる。ここでは、フォント名を「IPAMonaUIGothic」から「IPAMonaUIGothic-NoBitmap」に変更した。

TTF名の編集と日本語入力

フォントのリスト選択時に表示される名前が言語ごとに保存されている。指定時にオリジナル版と区別を付けるため、後ろにビットマップ無しであることを示す文字列を追加することになるのだが、ここの日本語部分の編集が少し厄介で、XIMが使用できない?
とりあえずの対処として、別のところであらかじめ入力しておいた

 (ビットマップ無し)

上の「半角スペース|半角かっこ(開)|文字列(ビットマップ無し)|半角かっこ(閉)」をコピー(クリップボードに記憶)して、

入力欄右クリックメニューから「複数行編集」を選択して

編集領域上で右クリックメニューから「貼り付け」を選び、何とか

このように編集ができた(複数行編集をする代わりに真ん中クリックでもOK)。

英語のサブファミリーのスタイルが「NoBitmap」になるのが気になる場合

英語の「スタイル(サブファミリー)」の値が「NoBitmap」になってしまっているが、これは

  1. 右クリックメニューの「PostScript名から切り離す」をして黒表示にする
  2. 右クリックメニューから複数行編集に入る
  3. 文字列全体をドラッグして「元に戻す」を選択して消す
  4. 別の場所から「Book」という文字列をコピー(記憶)
  5. 右クリックメニューから「貼り付け」

という手順で「Book」にすることはできるが、日本語環境での使用には影響ないので、気にしないのであればどちらでもよい?

フォント情報編集の終了

ユニークフォントIDに関するメッセージが出るが、オリジナル版でもそうなっているため、ここは「OK」。

UniqueIDの再生成は行うことにする。

フォントの出力

メニューから「ファイル - フォントを出力」をたどると保存ダイアログが出る。ここではipagui-mona-nobitmap.ttfとして保存。

「Validate Before Saving」は付けてもよいが、

  • 「非標準のEMサイズ」ダイアログで「はい」を選択
  • 「Errors detected」ダイアログで「保存」を選択

と進める必要がある。オリジナル版をそのまま「フォントを出力」しても同様なので気にすることはない?

終了

.ttfファイルだけ得られればよいため、.sfdファイルは「保存しない」ことにする。

以上で作業は完了。

使用したバージョン:

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