試験運用中なLinux備忘録・旧記事

はてなダイアリーで公開していた2007年5月-2015年3月の記事を保存しています。

Sun xVM VirtualBoxに関する覚え書き(2008/9/8現在)

  1. バージョン2.0系が登場
  2. Gentoo Linuxのebuild
  3. VRDPの認証が動作
  4. その他既存の機能に関する覚え書き
    1. PulseAudioによるオーディオ出力について
    2. シームレス/フルスクリーンモードの設定がうまく無効にできないとき
  5. キーボード配列について

バージョン2.0系が登場

Sun xVM VirtualBoxのバージョンが2.0系になり、x86_64ゲストに対応した(x86_64版のみ)他、GUIツールキットにQt4を使用するようになった。

Gentoo Linuxebuild

2008/9/8現在、公式のPortageツリーからは利用できないが、
bugs.gentoo.org/show_bug.cgi?id=236692
にアップロードされているebuildが存在する。OSE版のebuildもあるが、ここではバイナリ版(virtualbox-bin)を使用した。
ファイルのダウンロードに関しては、1.6系の頃とは違って直リンクできるようになっているため

RESTRICT="fetch"

pkg_nofetch() {
	elog "Please download the package from the site:"
(中略)
	elog "then put this file in ${DISTDIR}"
}

の部分は不要になり(消してOK)、代わりに、先頭を

EAPI=1

inherit eutils fdo-mime qt4 pax-utils

MY_P=VirtualBox-${PV}-36011-Linux

DESCRIPTION="Family of powerful x86 virtualization products for enterprise as well as home use"
HOMEPAGE="http://www.virtualbox.org/"
SRC_URI="amd64? ( http://download.virtualbox.org/virtualbox/${PV}/${MY_P}_amd64.run )
	x86? ( http://download.virtualbox.org/virtualbox/${PV}/${MY_P}_x86.run )"

(以下略)

のように変更することで、他のパッケージと同様にファイルを自動でダウンロードできるようになる。実際にローカルOverlay上で使う際には片方しか使用しないため、使用するほうのアーキテクチャの「http ... run」の部分のみをSRC_URIに記述してもOK。
また、filesディレクトリ内のファイルも必要になるため、公式のツリー側のapp-emulation/virtualbox-bin/files/に対するシンボリックリンクを張るなどしておく。
(2008/9/16)色々な不具合が修正されたバージョン2.0.2がリリースされ、これに合わせて公式Portageツリーにもebuildが追加されたため、上のような作業は必要なくなった。

VRDPの認証が動作

今回、初めて手元の環境でVRDPの認証が使えるようになり、設定で認証方式を「外部」にしたときに、rdesktopから正しいパスワードで認証されたときにのみ開けるようになった。これは嬉しい。
使い方自体は1.4系の頃と同じ。

その他既存の機能に関する覚え書き

以下はバージョン1.6系でも使える機能についてを扱っている。

PulseAudioによるオーディオ出力について
ゲストOS上の音声は、PulseAudioを経由して出力することができる。動作中の(ホスト)OS上で録音するのが難しいものに対しても楽に録音できるのは便利かも。
バイナリ版(virtualbox-bin)を使用したが、特に問題はなく動作している。

シームレス/フルスクリーンモードの設定がうまく無効にできないとき
GNU/Linuxゲスト*1の挙動は怪しく*2、一度シームレスモードを有効にした後、Host+Lを押しても元に戻らずに困った*3ことがあった。
一度シームレスモードを有効にすると、ゲストOSのログイン中に無効にしない(できない)限り、次の起動時、ログイン後になると、また有効になってしまう。*4
ゲストOSのログイン画面(GDM)の時点では切り替えることもできず、無効にするためにはどこかの設定をいじらなくてはならなくなったのだが、仮想マシンGUIでの設定項目には、シームレスモードを使用するかどうかに関するものはない。
そこで、ゲストOSのシャットダウン後に仮想マシンの設定ファイルを開くと
ファイル名: [ホームディレクトリ]/.VirtualBox/Machines/[仮想マシン名]/[仮想マシン名].xml

<ExtraDataItem name="GUI/Seamless" value="on"/>

という記述が見つかった。この「on」の部分を「off」にしたところ、次の起動時に無効にすることができた。
同様に、フルスクリーンにしてしまって元に戻らないときには
ファイル名: ${HOME}/.VirtualBox/Machines/[仮想マシン名]/[仮想マシン名].xml

<ExtraDataItem name="GUI/Fullscreen" value="on"/>

の「on」を「off」にする。

キーボード配列について

バージョン1.6系でキーボード配列が再び一部おかしくなっていたのだが、2.0.0では問題なくなっている。

使用したバージョン:

  • Sun xVM VirtualBox 2.0.0
  • rdesktop 1.6.0
  • PulseAudio 0.9.10(0.9.10-r51)

*1:使用したのはUbuntu Hardy x86_32版

*2:うまく動作しないどころか、Xごと落ちることも多かった

*3:動作自体きちんとしていればシャットダウンすればよいが、固まってしまった場合は強制的に止めるしかない

*4:ここでダイアログが出てキャンセルはできるものの、毎回ログイン後に同じダイアログが出る上、ダイアログが出ないようにもできてしまう