試験運用中なLinux備忘録・旧記事

はてなダイアリーで公開していた2007年5月-2015年3月の記事を保存しています。

winetricksの覚え書き(2009/10/9現在)

新しいパッケージ

しばらくぶりにwinetricks(www.kegel.com/wine/winetricks)をダウンロードして実行してみたところ、幾つか気になるパッケージが見つかった。

アンチエイリアス/サブピクセルレンダリングの設定が行える

「fontsmooth-rgb」(サブピクセルがRGB順)もしくは「fontsmooth-bgr」(サブピクセルがBGR順)を選択(インストール)すると、バージョン1.1.12以上1.1.44以下のWineが対応するサブピクセルレンダリングの設定を行うことができる。従来型のグレイスケール方式に切り替える「fontsmooth-gray」やアンチエイリアス無効の「fontsmooth-disable」もある。
(2010/6/1)バージョンに関する記述を追加

日本語を含むフォント

「wenquanyi」というパッケージをインストールすると日本語を含むフォントがユーザインターフェースに使用される。上記のサブピクセルレンダリングの設定と併用すると、簡単に「ユーザインターフェースにサブピクセルレンダリングを用いるフォントを用いる環境」が手に入る。

sandbox

「sandbox」を指定するとデスクトップや「マイ [「ドキュメント」など]」としてホームディレクトリ以下の各種ディレクトリを指し示すリンクを削除し、ホーム以下の各ディレクトリを切り離す。しかし、完全にWineから見えなくしたい場合は別途GUI設定ツールwinecfgを用いるか直接${WINEPREFIX}/dosdevices/以下のリンクを操作することによりZドライブを消しておいたほうが良さそう。

KDE4

kde」でKDEインストーラが起動する。その後個別のパッケージを選択してインストールする。
バージョン4.3.1を選択し、幾つかのパッケージを選択して動作を確認できた。Konquerorのようにまともに動かなかったものもある。
日本語メッセージにした場合メニューなどの文字化けで日本語が正しく表示できないが、(KDEにおけるフォントを設定するツールを含む)システム設定(systemsettings.exe)は動作せず、ファイルマネージャDolphinも起動しなかった。

その他既存のパッケージに関するメモなど

DirectX

DirectXの再頒布可能パッケージをインストールする「directx9」パッケージは非推奨となっていて、Direct3D目的の利用では「d3dx9」パッケージを推奨しているが、一部のRPGツクール2000作品のように、ネイティブ版DirectXに含まれるファイルが役に立つ場合(関連記事)もある。

Mono

Windows版Monoがバージョンごとに選択してインストールできる。GTK#付き。今回インストールされたのは

  • Mono 2.4.2.3
  • GTK# 2.12.9

というバージョン。
openBVE*1

  • gdiplus
  • mono-2.4

の2つのパッケージをインストールすると動作する(ユーザインターフェースと3Dシミュレータモードの両方について動作を確認)。SDLOpenALなどの依存DLLをシステムのフォルダ(C:\WINDOWS\system32\など)に入れてTao FrameworkのDLLはopenBVEディレクトリに入れている。

Python 2.6

「python26」をインストールすると2.6系のPythonに加え、PyWin32も追加でダウンロード/インストールされる。

Firefox

firefox」のパッケージでWin32版Firefoxがインストールできるが
http://kakurasan.ehoh.net/summary/ui.font.wine.html
レジストリfont-replace-ipamona-msgothic_msmincho.regを適用しておかないと起動時に確実に落ちる?
以前Irvineで試したときにも同様だった。
shockwave」パッケージをインストールすると上で(GNU/Linux版の用意されていない)Shockwaveが使えるが、手元の環境ではうまく動作しなかった。*2
(2009/10/10)手動でインストールしたSeaMonkey 1.1.18でも試したが、こちらもうまく動かなかった。以前動作していたときとShockwaveWineのバージョンが異なるので、色々なバージョンで試す必要があるかもしれない。
(2010/1/1)その後、ShockwaveもしくはWineのバージョンが上がったせいか、3Dのコンテンツも含め、落ちることなく正常に動くようになっている(フォント置換のレジストリ設定は必要)。Firefoxは3.5.6、Shockwaveは11.5.2.602(winetricksでインストール)、Wineは1.1.35。Shockwaveの3Dレンダラ設定ではOpenGLがおすすめ。

各種ランタイム

Visual Basic(「vb6run」など・バージョン2からある), Visual C++(2008では「mfc90」「msvcp90」「msvcr90」), MFC(「mfc40」「mfc42」)などのランタイムが必要なアプリケーションは結構あるが、これらのパッケージはwinetricksでインストールできる。

*1:Wineを用いるとWindows専用の保安装置DLLが動作する

*2:かなり前に古いバージョンのFirefoxで試したときには動作していたような気もする