試験運用中なLinux備忘録・旧記事

はてなダイアリーで公開していた2007年5月-2015年3月の記事を保存しています。

Debian/Ubuntuにおける幾つかのGUI管理ツールに関するメモ(2010/11/24現在)

ここではDebian/Ubuntuに関係する幾つかのGUI管理ツールについてを扱う。

サービスの管理

OS起動時に自動的に起動されるサービスを管理するGUIツールにはBootUp-Manager(コマンド名bum,パッケージ名も同名)がある。
Debian/UbuntuではTiMidity++をインストールすると自動的にALSAMIDIバイスとして(OS起動の段階から)動作するようになるが、これは個人的に不要なので、例としてこれを外すものとする。
作業としては、一覧から

 runs TiMidity++ as a system-wide MIDI sequencer
timidity

という項目を探してチェックを外し、「適用」を押して

Start or stop services now?
(If you answer No, changes will be applied at next boot.)

というダイアログが出るので「はい」を選択するだけ。
サービスの管理を端末から行いたい場合、Debian/Ubuntuではsysv-rc-confというツールを用いるとグラフィカルに設定が行え、操作は

  • SPACEでチェック状態の切り替え
  • qで終了

となる。「2」から「5」までの(ランレベル)番号のところにチェックがあると*1サービス自動起動が有効で、なければ無効となる。RedHat系のディストリなどではsysv-rc-confと同等の機能はchkconfigというツールが提供している(詳しくは扱わない)。
コマンドではupdate-rc.dというツールでより低レベルな操作が行えるが、ここでは扱わない。

幾つかの候補から実体を選択するupdate-alternativesのGUI

あるコマンドや設定ファイルなどについて、幾つかの候補(バージョン違いなど)から1つを選択して用いるということがある。例えば、Ubuntu 10.10の時点ではeditorというコマンドはnano,vim,Emacsなどの内、インストールされているものの中から1つの起動に用いることができ、/usr/share/fonts/truetype/ttf-japanese-gothic.ttfというファイルはTakaoPGothic,IPAゴシック,IPAexゴシック,VLゴシックなどから実体を選択できる。
こうした仕組みの中でどれを選択するかを設定するコマンドがupdate-alternativesで、元々はDebian系ディストリのツールだが、Mandrivaなど、Debian系以外で使われることもある。
このupdate-alternativesで行うような切り替え処理をGUIで行うツールがG Alternatives(コマンド名galternatives,パッケージ名も同名)となり、起動すると左側に項目,右側に候補一覧とその選択状況が表示され、ラジオボタンを選択したいものに切り替えると即座に変更が反映される。

パッケージの再設定ツール

Debian/Ubuntuにおけるパッケージの中にはインストール時にパッケージの設定を行う必要があるものがある。これにより、簡単な操作でユーザの好みに応じた軽いカスタマイズができるようになっている。
この設定はパッケージインストールの後にも行うことができるのだが、GUI

  • 設定したいパッケージを選択して再設定する
  • 再設定可なパッケージの名前を一覧から選ぶ

ということを行うためのパッケージがGkDebconf(コマンド名gkdebconf,パッケージ名も同名)で、起動すると左側にセクション(分野)が表示されるのでいずれかを選択し、右側のパッケージ名一覧からパッケージ名を選択して「設定」ボタンを押すとそのパッケージの再設定が行える。セクションで「*」を選ぶと右側に再設定可能な全てのパッケージ名が並ぶ。
なお、この再設定をコマンドで行うには

$ sudo dpkg-reconfigure [パッケージ名]

とする。

使用したバージョン:

  • BootUp-Manager 2.5.2
  • G Alternatives 0.13.5
  • GkDebconf 1.2

*1:ランレベルごとの項目はあるが、Debian/Ubuntuでは2から5のランレベルは区別はされない