Mageia 3(Mandriva Linuxの派生ディストリビューション)に関する幾つかのメモ(2013年6月上旬時点)
2013年5月に3番目のバージョン「Mageia 3」が公開されている。常用はしていないので、あまり詳しい内容は扱わない。
一部の構成パッケージのバージョン
標準のアップデート(バックポートではない・「Core Release」など)でディストリ公開時よりも新しいバージョンが利用可能となっているパッケージが存在する。以下にOSを構成する一部パッケージのバージョンを挙げるが、この記事が公開された時点の最新バージョンであることは保証しない(既にバージョンが上がっているのを見逃しているものがある可能性がある)。また、今後バージョンが上がるものが含まれている可能性もある。
システム:
- Linux 3.8.13 (desktop,server,tmb,rt), 3.9.4 (linus=パッチなし/vanilla版)
- systemd 195 -> 204
- Perl 5.16.3 -> 5.18.0
- Python 2.7.3 -> 2.7.5 / 3.3.0 -> 3.3.2
- Ruby 1.9.3
- glibc 2.17
- GCC 4.7.2
デスクトップ環境:
GUIツールキット:
- GTK+ 2.24.18 / 3.8.2
- Qt 4.8.4 / 5.2.0
入力メソッド:
エディタなど:
- GNU Emacs 24.2
- GNU nano 2.3.2
- VIM 7.3.762 -> 7.3.1036
- LibreOffice 4.0.3.3
- GIMP 2.8.2 -> 2.8.4
- Inkscape 0.48.4
その他:
- GLib 2.36.2 -> 2.37.1
- Mono 2.10.9
- OpenJDK 1.7.0.19
- JACK2 1.9.8
- PulseAudio 3.0 -> 4.0
- ALSA 主に1.0.27系(それぞれ2013年春時点の最新バージョン)
- Wine 1.5.27 -> 1.5.31
パッケージの大規模な再ビルドについて
今回は、品質の向上を目的として大規模なパッケージ再ビルドが行われている。PyGI関係のメモ
Python3では「python3-gobject3」パッケージをインストールすることでPyGI(関連記事)が使用できるようになる(Python2では「python-gi」パッケージを入れる)。PyGIを用いる場合、Debian/Ubuntuと同様に.typelibファイルを提供する「lib64gtk-gir3.0」(GTK+ 3向け)のような(「lib(64)[ライブラリ名]-gir[ライブラリ自体のバージョン]」)形式の名前のパッケージを別途インストールしておく必要がある。これらのパッケージはパッケージの概要として「GObject Introspection interface description(もしくはlibrary) for [ライブラリ名]」と書かれている。なお、Debian/Ubuntuとはパッケージ名の付け方が異なっており、注意が必要。
Wineについてのメモ(64bit関係)
x86_64版ディストリにおいては、WineはUbuntuと同様に32bitアプリケーション向けと64bitアプリケーション向けとを共存できるようになっている。この際のWine環境(prefix)における仮想Cドライブ内のディレクトリ構成はx86_64版のUbuntuと同様。
- 「Program Files」のディレクトリが32bit向け(「 (x86)」付き)と64bit向け(「 (x86)」無し)に分かれている
- 「windows」の下のシステムファイル用フォルダも、「system32」が64bit向け,「syswow64」が32bit向けと分かれている
プログラム実行時、ライブラリが見付からずにメッセージが出ることがあるが
$ winecfg Wine cannot find the ncurses library (libncurses.so.5). Wine cannot find the FreeType font library. To enable Wine to use TrueType fonts please install a version of FreeType greater than or equal to 2.0.5. http://www.freetype.org
その場合、該当する32bit版ライブラリをインストールしておく。
VirtualBox関係のメモ
今回VirtualBoxでインストールしたが、ホストOSとの色々なやりとりに便利な「Guest Additions」は標準でインストールされている(バージョンは4.2.12)。特にVirtualBox側から手動でインストールの操作を行うことなく、マウス統合やクリップボード共有,共有フォルダなどが利用できている。共有フォルダ(/media/sf_[名前]/以下)にアクセスするには、Mageia内の該当ユーザを「vboxsf」グループに入れておく。
使用したバージョン:
- VirtualBox 4.2.12 (ホストUbuntu 13.04/ゲストMageia 3両方)