ワークスペースの切り替えについて
ワークスペースという仮想画面機能はX上で動作するほとんどのウィンドウマネージャ*1で使用できる。ワークスペースごとに別々のウィンドウが配置でき、必要に応じて切り替えながら使用することができる。これをうまく使うことで画面をウィンドウだらけにすることなく、能率良く作業ができる。
ページャーの行数設定と2次元ワークスペース
Xfceのパネル(ウィンドウ一覧やデスクトップ表示、システムトレイなどを含む帯状のもの)に「ページャー」というものがあり、現在選択されているワークスペースには色が付き、全ワークスペースのウィンドウの配置状況が表示されている。
このページャーを右クリックして「プロパティ」を選択すると、ページャーの行数が設定できる。行数を増やすと、各ワークスペースのウィンドウ配置状況は小さくなって見づらくなるが、ワークスペースを2次元的にすることで、扱いやすさは大きく変わる。
2x2のワークスペースを作ってみる
上下左右にワークスペースを移動する
設定マネージャ(xfce-setting-show)の「ウィンドウマネージャー」から「詳細」タブを選択し、「ワークスペース循環」の設定で、マウスポインタが画面端に来たときにワークスペースを移動する設定と、ウィンドウをドラッグ移動中に画面端に来たときにワークスペースを移動する設定がある。どちらも全ての人に馴染むとは言えないが、試しにどちらかを有効にして、ページャーを見ながら上下左右に移動できることを確認してみるとよい。
ショートカットキーで選択ワークスペースを上下左右に移動する
Xfce4のウィンドウマネージャのショートカットキーにより、ワークスペースの選択にも上下左右を使うことができる。ページャーを見ながらCtrl+Alt+矢印キー(→↓←↑)を試して確認してみるとよい。
ショートカットキーをカスタマイズしてウィンドウを任意の方向のワークスペースに移動させる
Xfce4.4のデフォルトのショートカットキーでは、現在のウィンドウを任意の方向のワークスペースに移動させる*3項目自体はあるのだが、未設定となっている。そこで、新しいショートカット設定を追加して、Berylにならって「Ctrl+Alt+Shift+矢印キー(→↓←↑)」でできるように編集してみる。
- 設定マネージャ(xfce-setting-show)の「ウィンドウマネージャー」の「キーボード」タブを選択、ショートカットのカスタマイズをするために「追加」ボタンを押し、適当な設定名(例: カスタム)を付ける。自動的に新しい設定名が選択され、ショートカットキーの編集ができる状態になる。
- 「Ctrl+Alt+Shift+矢印キー(→↓←↑)」は既にデフォルトで4方向へのウィンドウ移動に割り当てられている。まずこれらの項目(4方向分全て)をそれぞれダブルクリックして「ショートカット無し」をクリックし、未設定の状態にする。
- 「ウィンドウを(上下左右)のワークスペースに移す」のそれぞれをダブルクリックし、「Ctrl+Alt+Shift+矢印キー(→↓←↑)」を押して、4方向分の設定をする。
- ページャーを見ながら、上下左右の全てに対してワークスペースの移動ができることを確認。
マウスホイールを使ったワークスペース移動
設定マネージャ(xfce-setting-show)の「ウィンドウマネージャー(詳細)」*4を開き、「ワークスペース」の「デスクトップ上でマウスホイールを使用しながらワークスペースを切り替える」にチェックを入れると、デスクトップ(ウィンドウの無い領域)でのホイールで順番にワークスペースが切り替わる。更に、「先頭または最後のワークスペースに来たら循環する」にチェックを入れると、最初のワークスペースの前が最後のワークスペースになり、循環するようになる。
ワークスペースの数を3つ(2つでも可)にして、循環付きのホイール切り替えにすると、全てのワークスペースに瞬時にアクセスできるため、使い勝手は非常に良くなる。しかし、3つでは足りない使い方をしている場合、この恩恵は受けられない。
*1:ウィンドウの最小化・最大化・巻き上げなどの状態やウィンドウサイズ、重なる順序、ウィンドウ装飾などの管理をするソフトウェアで、ものによってはタスクバーやシステムトレイを備えた「環境」と呼べるようなものもある。Xfce4のウィンドウマネージャはxfwm4
*2:3x3の場合はワークスペース数9・行数3。ただ、縦と横の数を合わせるのは単に使いやすいからなので、合わせなくても問題はない
*3:Berylウィンドウマネージャではキューブ使用時に「Ctrl+Alt+Shift+左右キー(←と→)」という感じでできる
*4:黄色い星が目印のアイコンのほう。4.4になって何故か設定場所が2か所になってしまって分かりにくい