試験運用中なLinux備忘録・旧記事

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最も軽量なデスクトップ環境「LXDE」の概要

LXDE(lxde.sourceforge.net)はXfce4よりも更に軽量・シンプルなデスクトップ環境。2008年3月現在、ディストリのパッケージとして用意されているものは見当たらず*1、標準デスクトップ環境として採用しているディストリはない。
(2008/11/14)2008年11月現在、Mandriva Linux 2009.0やDebian lenny(5.0)、Ubuntu Intrepid(8.10)など、対応が進んできている。
(2008/12/4)Fedoraではバージョン8以上で利用可能になっている。
ここでは主に特徴についてを箇条書きの形でまとめておく。

特徴

  • 軽量志向
    • 基本的な機能は持ちつつ、シンプルな構成
      • 外観や国際化などを考慮して、GTK+ 2を採用している
      • パネル/セッションマネージャ/ファイルマネージャ兼デスクトップマネージャ
      • パネルには幾つかのプラグインが含まれている(ビルド時に指定可能)
      • xsetコマンド(キーボードやマウスなどのパラメータ調整)やxscreensaver(スクリーンセーバデーモン)を自動起動で処理するような形になる
      • GTK+ 2の設定は[ホームディレクトリ]/.gtkrc-2.0に手動で記述するか、同ファイルをgtk-chthemeで変更
      • 初心者向けとは言えないかもしれない
    • スペックのそれほど高くないマシン上でも快適に動作*2
    • 動かすアプリケーションがCPUやメモリを多く使用するものだと、快適とは言えないかもしれない
  • 非統合デスクトップ環境
    • 各部分は独立して動作可能
    • 既存のプログラムを利用
      • ウィンドウマネージャは任意
      • ファイルマネージャはPCManFMで、デスクトップのアイコンや背景なども管理する*3
  • デスクトップ環境の標準(freedesktop.org)に準拠
    • アプリケーションメニュー
      • メニュー項目
        • /usr/share/applications/
        • [ホームディレクトリ]/.local/share/applications/
      • メニューディレクト
        • /usr/share/desktop-directories/
        • [ホームディレクトリ]/.local/share/desktop-directories/
    • .desktopファイルによる自動起動
    • システムトレイ(パネルのプラグインの1つとして動作)

(2008/4/15)GTK+ 2の設定に関してはツールが用意された。「LXDEのパッケージとディストリ関係の情報を追加」を参照。
(2008/12/4)Wikiに詳しい日本語の情報があり、参考になる。

構成

ウィンドウマネージャはIceWMを標準としているが、どれを使用してもよい。

  • 任意のウィンドウマネージャ(IceWM/Fluxbox/Openbox/Metacity/xfwm4/KWin/Compizなど)
  • lxpanel
  • lxsession

これに加え、軽量な画像ビューアGPicViewも用意されている。Windows XPの「画像とFAXビューア*4に近い感覚で使える。
(2008/4/15)幾つかのパッケージが追加されている。また、既定のウィンドウマネージャがOpenboxに変更された。

ディストリに関しての追記

(2008/3/8)公式のページに、PUD GNU/Linux(http://pud-linux.sourceforge.net/index.en.html)の記述があり、リンクもあるのだが、パネルの構成はLXDEに似ているものの、実際に使ってみた*5ところ、Xfce4のようだった。

LXDE版は
http://pud-linux.sourceforge.net/en/lxde.htm
にあったらしいが、2008年3月現在、ダウンロードはできない。
というわけで、Ecolinux-light(http://ja.ecolinuxos.com/Entry/5 バージョン1.8現在はデスクトップ環境は使用せず、Fluxbox*6のセッションになる)あたりの対応を期待。
(2008/4/15)PUD GNU/Linux LXDE Editionの新しいバージョンが出たため、「LXDEのパッケージとディストリ関係の情報を追加」に書いている。

2008年11月現在のディストリ対応状況

(2008/11/3)Debianはlennyから、UbuntuIntrepid(8.10)から「lxde」パッケージが利用できる。
Mandrivaでは2009.0の時点ではメタパッケージ「task-lxde」によりインストール可能。
Gentooでは依然として一部のアプリケーションのみが単独で利用可能という状況のようだ。

*1:LXDEのプロジェクトページにx86_32向けDebianパッケージが用意されているものもあるが、全てのバージョンに提供されているわけではないように見える

*2:公式ページではスペックと動作状態についてが書かれている

*3:デスクトップアイコンを使用していないときには背景も管理されない

*4:GNU/Linuxとは全く関係のない話だが、Windows Vistaでは別のプログラムに置き換わったらしい

*5:バージョンは0.4.8

*6:メニューや設定(GUIツールも含む)が独自。軽くてウィンドウのタブ化ができ、テーマによる見栄えの変更もでき、fontconfig/Xftにも対応している