試験運用中なLinux備忘録・旧記事

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Wine上の吉里吉里1/KAG2と吉里吉里2/KAG3製のノベル系作品の動作について(Wine 1.3.31時点・前半)

ここでは、バージョン1系と2系の吉里吉里を用いて作成された作品のWineにおける動作についてを扱う。吉里吉里自体は色々な用途に対応しているが、ここでは最も広く用いられる用途としての「KAGフレームワークを用いたノベル系作品(吉里吉里1/KAG2もしくは吉里吉里2/KAG3)」の動作についてを扱う。

Flashがないとうまく動かない作品が存在

『ゾウディアック』という作品(1作目)では冒頭のFlashがそのままでは表示されず、winetricksで「flash」をWine環境にインストールすることで動作するようになる。この作品では「タイトルムービーカットパッチ」というパッチを当てることによりスキップはできるようだが、他のFlash使用作品ではwinetricksでのインストールが必須な場合もあるかもしれない。
2011年10月下旬時点ではwinetricks側に記述されているダイジェスト(ハッシュ)が最新のAdobe上のサイトのものと一致しない(SHA-1は「964199abcbaa9f42273ed5030d039ead03407b76」となり2011/6/23のものと異なる)ためインストールできない(「sha1sum mismatch!」と出る)が、install_flash_player_ax.exeのダウンロード先から.exeファイル(インストーラ)を直接実行することでインストールすることはできる。.exeファイルの場所は端末のエラーメッセージの後ろにある「Rename [.exeファイルの場所] and try again.」の部分に書かれている。

MIDIオーディオの再生について

MIDIオーディオの再生はMIDIマッパー(関連記事)の設定に基づいて出力先が決められる。もしデバイスが1つもなければRPGツクール2000/2003作品と同様、TiMidity++やFluidSynth(QSynth含む)のようなソフトウェアシンセサイザを用いることもできる。

『1999 Christmas Eve』におけるフォント変更

吉里吉里1/KAG2を用いた『1999 Christmas Eve』という作品ではメニュー項目などからフォントが変更できず、環境によっては一部文字が正常に描画されないこともあるが、その場合でも設定ファイルでフォントを変更することは可能で、savedat/1999ChristmasEveg.dat

system_defaultFontFace="MS ゴシック";

となっているのを

system_defaultFontFace="[フォント名]";

任意のフォント名に置き換えて上書き保存することにより、別のフォントに変更することができる。ただし半角英数以外の文字を含むフォント名の場合はこのファイルのエンコーディングをCP932にする必要がある。
吉里吉里1/KAG2を用いた他の作品として他に『その向こう側』という作品があるが、これは「CONFIG」もしくは「CONF」からフォントを選択できる。

(「Wine上の吉里吉里1/KAG2と吉里吉里2/KAG3製のノベル系作品の動作について(Wine 1.3.31時点・後半)」に続く)

関連記事:

まとめドキュメント:

使用したバージョン:

  • Wine 1.3.31