試験運用中なLinux備忘録・旧記事

はてなダイアリーで公開していた2007年5月-2015年3月の記事を保存しています。

デスクトップ環境Xfce4とLXDEの現状と今後についてのメモ(2014年5月末時点)

Xfce4

(2015/3/15)Xfce 4.12は2015年2月末にようやく正式版が公開された。GTK+はバージョン2系を使用するが、一部のソフトウェアはGTK+ 3に対応している。

新しい安定版であるバージョン4.12の公開に向けた開発版系統となる4.11系のバージョンのパッケージなどが幾つか公開されている。ソフトウェアによっては独自のバージョン番号の付き方でリリースされているものもあるが、そうしたものも新しいバージョンが出ている。

  • xfdashboard(GNOME Shellに近いグラフィカルシェル) 0.1.91: mail.xfce.org/pipermail/xfce/2014-May/033512.html
  • parole(メディアプレーヤ) 0.6.1: mail.xfce.org/pipermail/xfce/2014-April/033407.html
  • xfdesktop 4.11.6: mail.xfce.org/pipermail/xfce/2014-April/033423.html
  • xfce4-mixer 4.11.0: mail.xfce.org/pipermail/xfce/2014-April/033446.html
  • xfburn 0.5.2: mail.xfce.org/pipermail/xfce/2014-April/033447.html
  • xfce4-panel 4.11.0: mail.xfce.org/pipermail/xfce/2014-February/033216.html
  • xfce4-session 4.11.0: mail.xfce.org/pipermail/xfce/2014-February/033232.html
  • xfce4-settings 4.11.2: mail.xfce.org/pipermail/xfce/2014-February/033234.html

GTK+ 3への一部対応も含めて開発は進んではいるのだが、4.11系のバージョンのパッケージもまだ初期という印象があり、バージョン4.12の公開はまだまだ先のことになりそう。

LXDE

Xfce 4よりも軽量なデスクトップ環境のLXDEはこれまでGUIツールキットにGTK+ 2を用いてきたが、性能の低いコンピュータ上で動かす上でのメモリ使用量などの都合により、新しいバージョンのGTK+ 3へ移行するよりも全く別のGUIツールキットであるQtを選択するほうが良いということになり、2013年にQtへの移行作業が始められている(GTK+ 3への移行はされない)。Qtのバージョンとしては(移植段階では)バージョン4系が用いられているが、将来的にはバージョン5.1系へ移行することが想定されているようだ。
既存のGTK+ 2版アプリケーションは今後しばらくは不具合修正などメンテナンスが行われる見通しだが、長期的には廃止される方向であることが明確になっている。
また、LXDEと同じ開発目標(低性能マシンで快適に動作する軽量環境の提供)で活動している軽量デスクトップ環境Razor-qtのプロジェクトとのプロジェクト統合も2013年に既に決定しており、将来的にはQtを用いたLXDE-QtLXQtという新しい軽量デスクトップ環境が公開されることになる予定(「LXDE-Qt」はGTK+版と区別するための名前で、最終的な名前に「-Qt」が付くかは不明)。デスクトップ環境内のそれぞれの部分(コンポーネント)についてはLXDE由来のものとRazor-qt由来のものが混在するような形になる(他にOpenboxなど他のプロジェクトが開発するプログラムも混じる)。
(2014/6/6)統合後のデスクトップ環境名は「LXQt」で、最初のバージョンである0.7.0が5月に公開されていることが分かった(wjn氏に感謝)。Ubuntu 14.04では「ppa:lubuntu-dev/lubuntu-daily」のPPAリポジトリを追加した後「lxqt-metapackage」パッケージをインストールして「LXQt Desktop」のセッションを選択してグラフィカルログインすると利用できる。PCMan File ManagerのQtへの移植は既に完了しており、LXQtにログインするとQt版のPCMan File Managerが使用される。

関連URL:

自由なソフトウェアのグラフィックドライバ使用時の動画再生支援について(AMDとNVIDIA向け・Ubuntu 14.04時点跡地)

(2015/11/19)本記事は「LinuxでGPUの動画再生支援を用いる(主にDebian/Ubuntu向け)」へ移動した。

Mozilla Firefox 29のユーザインターフェース変更についてのメモ

Firefoxのバージョン29ではタブの表示スタイルやツールバーなどのユーザインターフェースが大きく変更されている。
バージョン29のFirefox
https://www.mozilla.org/ja/firefox/29.0/tour/
にアクセスし「開始する」を押すと、新しくなった部分が実際のユーザインターフェース上で確認できる。

  1. 新しいメニューとその表示を行うボタン
  2. ブックマーク関係
  3. アドオンバー関係

新しいメニューとその表示を行うボタン

バージョン29では「Firefox」メニューが廃止され、代わりに「三」のようなアイコンのメニューボタンがツールバー右端に設けられた。この位置は変更できないようだ(「カスタマイズ」中、破線の外側に表示されている)。
メニューボタンで表示されるメニュー内の項目は、ツールバー上の項目と同様にして「カスタマイズ」で変更できる(ツールバーへ移動することも可)。

ブックマーク関係

ブックマークを追加するには、ロケーションバー(URLの欄)内の右(にあった星マーク)ではなく、「☆|自」のような見た目の星マークとブックマークが並んだボタンの星マーク部分(左側)から行う。ブックマークに追加済みのページにいるときには星に色が付いて、これを押すとブックマークが編集できる(間違って追加してすぐに削除したいときにも使える)。
ブックマークの管理は「☆|自」の2つのボタンの内、右側にあるほうを押してブックマークのメニューを出した後で「すべてのブックマークを表示」を選択してダイアログを出して行う(ショートカットキーによる方法もある)。
ブックマークツールバーの表示/非表示切り替えは、このメニューの「ブックマークツールバー」かメニューボタンの「カスタマイズ」を選択後「ツールバーを表示/隠す」の中で切り替えることもできる。

アドオンバー関係

アドオンバーもバージョン29で廃止されており
[引用] http://www.mozilla.jp/firefox/29.0/releasenotes/ より

アドオンバーが削除されました。アドオンバー上のコンテンツはナビゲーションバーへ移されます。

とあるが
[引用] http://d.hatena.ne.jp/Rockridge/20131118/1384792783 より

他方、ユーザーにとっては、アドオンバー(とステータスバー)が削除されたことが大きい。アドオンバー上のウィジェットは、ナビゲーションツールバーに移動する。Add-on SDKベースのアドオンであれば問題は起きないとされるが、XULベースのアドオンはまだまだ多い。動作に支障が出るものもあるだろう。

という記述もあり、実際にアドオンによっては表示先がなくなってしまい問題が出てしまう。
もしうまく動かないアドオンに当たった場合は、アドオンバーを復活させるためのアドオンが存在するのでインストールする。
https://addons.mozilla.org/ja/firefox/addon/the-addon-bar/
はアドオンバーの復活のみ行い、Firefoxの再起動は必要ない。
アドオンバーの表示/非表示は、メニューボタンの「カスタマイズ」を選択後「ツールバーを表示/隠す」で切り替えできる。
他に
https://addons.mozilla.org/ja/firefox/addon/classicthemerestorer/
のアドオンを追加する方法もあり、こちらはFirefoxの再起動が必要だが、「Firefox」メニューに相当する機能が復活できたり、タブの表示形式を古いものにできたりと以前の使い勝手に戻したい場合に役立つ。
ただ、うまく動かないアドオンに当たった場合でも、同等の機能を持った別のアドオンを見つけ、かつその代替アドオンがアドオンバーの復活なしに正常動作することが確認できれば、わざわざアドオンバーの復活をしなくても済むかもしれない。

使用したバージョン:

Ubuntu 14.04における幾つかのメモ

PPAのパッケージを更新

PPAリポジトリ

で公開しているパッケージは既にUbuntu 14.04向けの更新が完了している。パッケージの内容自体は基本的に前の13.10のときのものと同じで、変更点はrxvt-unicodeのバージョンが上がったのに対応した程度だが、Open JTalkで用いる声データの「hts-voice-mei」パッケージはppa:kakurasan/stableのほうにも用意した。Open JTalk関係の他のパッケージについては、ディストリのパッケージのバージョンが2014年4月時点の最新バージョンになっているため、今回は公開していない。

OS起動時に固まる?

ブートローダからUbuntu 14.04のカーネルとinitrdが選択され、少しした後スプラッシュ画面に切り替わるあたりのタイミングで画面が真っ黒のまま処理が止まってしまう現象が起きたり起きなかったりしている(合計で3・4回は確認)。その状態になるとCtrl+Alt+Deleteによる再起動もCtrl+Alt+F[数字]による端末切り替えもできない。電源を切ってから起動し直すと正常に起動できたが、再起動をするとまたこの現象が発生することがある。
/etc/default/grub

GRUB_CMDLINE_LINUX_DEFAULT="splash quiet"

のダブルクォート内を空にしてupdate-grubを実行してみたが、今度はカーネルのメッセージが画面に表示された状態で止まることがあったので

#GRUB_TERMINAL=console

の先頭の「#」を消してGRUBのグラフィカル端末を無効にして様子を見ている。この変更の後の数回の起動・再起動では問題が起こっていないように見えるが、これによってうまく回避できているかは何とも言えず、原因もはっきりとは分からない。

Mono 3.2とGtk# 3

Monoのバージョンが2.10系から3.2系へと上がっている。バージョン3.0バージョン3.2のリリースノートなども参照。
Mono/.NETで(C#やBooなどの言語を用いて)GTK+を扱う言語バインディングGtk#はまだ正式バージョンとしてはGTK+ 2向けだが、GTK+ 3を用いたバージョンは開発中で、開発版のバージョン2.99系が公開されている段階。
Ubuntu 14.04からはそのバージョン2.99系が「gtk-sharp3」というパッケージ名で利用可能となっている。
サンプルコードとビルド済みのMono/.NETアセンブリ/usr/share/gtk-sharp3-examples/以下にあり、gtk-demoに相当するデモは/usr/share/gtk-sharp3-examples/GtkDemo/GtkDemo.exeとなる。

Mesa 10.1

Mesaライブラリのバージョンが10.1となり、この一部であるGallium3Dドライバ(自由なソフトウェアのグラフィックドライバのユーザ空間部分/3D処理用)が大きく改善されて、OpenGL 3.3 APIに対応(nv50,nvc0,r600,radeonsiのドライバのみ・ドライバによっては全ての機能はサポートされない)していたり、(ソフトウェアや処理内容によっては)従来のバージョンと比べて動作速度が向上したりしている。Radeon HDの場合は、Ubuntu 14.04時点では特に5xxx系-7xxx系でCatalyst(fglrx)ドライバ比で8割を超える速度に達しているようで、HD 4xxx系でもCatalystと比べると遅い場合が多いものの性能は出るようになってきている
注:「nv50」ドライバはGeForce 8世代からGeForce 300世代,「nvc0」ドライバはGeForce 400世代からGeForce 500世代,「r600」ドライバはRadeon HD 2xxx(R600)世代とRadeon HD 4xxx(R700)世代に加えてRadeon HD 5xxx(Evergreen)世代とRadeon HD 6xxx(Northern Islands)世代・更にTrinity/Richland世代までのAMD APU,「radeonsi」ドライバはRadeon HD 7xxx(Southern Islands)世代以降向けとなっており、ドライバは自動的に選択・使用される。

hddtempによる温度情報がGKrellMで取得できない?

hddtempをインストールしてもGKrellMで温度情報が取得できなかった(センサの設定の「温度」の一覧に出ない)ので

$ sudo dpkg-reconfigure hddtemp

を実行し、「起動時に hddtemp デーモンを開始しますか?」の質問で「はい」を選択することでGKrellMで温度情報が取得できるようになった。

Wineのバージョン

Ubuntu 13.10ではディストリの標準のパッケージとして提供されるWineのバージョンが古い安定版の1.4系だったが、14.04では新しい安定版系統のバージョン1.6.2が利用可能になっている。
また、これまでと同様、PPAリポジトリ「ppa:ubuntu-wine/ppa」を追加すると開発版のバージョン1.7系がパッケージとして簡単にインストールできる。

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