試験運用中なLinux備忘録・旧記事

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ユーザとグループをGUIで管理するディストリ非依存なツールについて

ディストリによってはシステムのユーザやグループを設定するための独自なGUIツールが用意されていることがあるが、ここではGNOME System Tools(GST)という管理ツール群(Debian/Ubuntu/Mandriva/Gentooでは「gnome-system-tools」パッケージ)に含まれるusers-adminを用いたユーザとグループの管理についてを扱う。
設定を変更するときなどには認証が必要となる。

  1. 起動
  2. ユーザの操作
    1. ユーザの追加
    2. ユーザに関する詳細な設定
    3. ユーザの削除
  3. グループの操作

起動

デスクトップ環境などのメニューから「ユーザとグループ」を選択するかusers-adminコマンドを実行するとユーザ設定のダイアログが起動する。

ユーザの操作

ユーザの追加
ユーザ設定のダイアログで「追加」ボタンを押して

  • ユーザ自身の名前
  • アカウント名(ユーザ名)

を入力して「OK」を押すとユーザが追加され、続けてパスワード設定のダイアログが出るので

  • 手動で設定する場合: 設定したいパスワードを2回入力する
  • パスワードを自動生成する場合: 「ランダムなパスワードを自動生成する」を選択・更に「生成」ボタンで別のパスワードに変更可

のいずれかでパスワードを決める。
「ログインの時にパスワードを尋ねない」にチェックするとグラフィカルログインの際にパスワードの入力が不要になる。

ユーザに関する詳細な設定
ログインシェル,主グループ(設定項目名「メインのグループ」)*1,ユーザID(ユーザを識別する番号)は「高度な設定」ボタンを押してダイアログの「高度な設定」タブから設定できる。
ユーザがシステム上でアクセスできるデバイスなどの権限に関してはこのダイアログの「ユーザの権限」タブから設定できる。ここのチェックは内部的には「audio」「video」「cdrom」などのデバイスに関するグループや「adm」「admin」のような管理者グループ(管理者権限ではない)などにユーザが属するかどうかを設定するもので、グループ名ではなく権限の説明が一覧になっている。例えば「音声デバイスを利用できる」にチェックするとそのユーザは「audio」グループのメンバになる。

ユーザの削除
ユーザ名を選択して「削除」ボタンを押すとそのユーザが削除できるが、この際にユーザのホームディレクトリ以下のファイルを消すか残すかをダイアログで選択できる。ユーザの削除をやめる場合「アカウントを削除しない」を選択する。

グループの操作

グループを追加するには「グループの管理」ボタンを押してグループ管理ダイアログを開いて「追加」を押して

  • グループ名
  • グループID(グループを識別する番号)
  • グループに含めるメンバ

を指定して「OK」を押す。
既存のグループのメンバを変更するにはグループ名を選択後「プロパティ」を押し、プロパティのダイアログでメンバにしたいユーザのチェック状態を変更する。ここではグループIDを変更することもできる。

使用したバージョン:

  • GNOME System Tools 2.32.0

*1:ユーザが最も強く結びついているグループで/etc/passwdでグループIDにより指定され、そのユーザが新規に作成するファイル/ディレクトリの所有グループなどに影響する